2000年11月2日「しんぶん赤旗」

 フリーターの増大をどう考える?


 〈問い〉 日本共産党は、青年の間でのフリーターの増大傾向をどう考えますか。(愛知・一青年)

 〈答え〉 「労働白書」によれば、フリーターとは、十五歳〜三十四歳の人で、正規の就職をせず、アルバイトかパートとして働いているか、希望している者とされています。その数は一九九七年時点で百五十一万人と推計され、過去十年間で約二倍に、十五年間で三倍にふくれあがっています。フリーターの平均的年収は、百五十万円程度で、「自立して生活している者は少ない」とされ、健康保険や年金の未加入者、保険金未納者も多いといわれています。

 フリーター増大の背景には、長引く不況と大企業がすすめるリストラ政策による若年層失業の急増、不安定雇用の増大があります。青年(十五歳〜二十四歳)の完全失業率は、この十年間で四・三%から九・四%へと倍増しています。フリーターの多くは、好んでフリーターになっているのではありません。労働省の調査でも、フリーターの四割は、現状にたいする不安や「将来は正社員に」という希望をもっており、フリーターを積極的に続けようとしている者は七・〇%にすぎません。

 もちろんフリーターのなかには、資格を要する職業など、自分にあった仕事をみつけたいといった将来の目標をめざす努力をしながら、日常の生活のためにフリーターをしている若者もいます。「労働白書」では、四人に一人がそうした目標をもっているとされています。

 フリーターの増大をめぐっては、財界の研究機関でも「若年労働力不足、社会保障制度の破綻(はたん)危機、未婚者の増加による少子化の進展など、さまざまな問題を惹起(じゃっき)する」(さくら総研)と懸念が表明されています。

 若者に働きがいある職場を積極的に保障していくためには、自分の能力を生かしたいという彼らの意欲を生かしながら、労働時間短縮による雇用の創出、青年が職業資格をとるための訓練費の援助など、政府の責任をもった対策がもとめられています。(裕)

 〔2000・11・2〕


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