2000年11月6日「しんぶん赤旗」

 家電リサイクル実施の問題をどう考える?


 〈問い〉 来年四月から家電リサイクル法が実施されますが、家電小売業者の負担を含め、いろいろ問題があるようです。家電リサイクル実施の問題をどう考えますか。(兵庫・MASAО)

 〈答え〉 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の四品目について、家電メーカーに自社製品のリサイクルを義務づけた法律です(九八年成立)。同法は、審議当初から、多くの問題点が指摘されてきました。

 同法は、使用済み家電製品の引き取りの際の負担(リサイクル料)を消費者にかぶせています。家電各社は、九月、使用済み家電製品のリサイクル費用について、洗濯機二千四百円、テレビ二千七百円、エアコン三千五百円、冷蔵庫四千六百円と発表しました。消費者は、買い換えなどで不用になった家電製品を処分するには、リサイクル費用に加えて、メーカーが指定する引き取り場所までの運賃も負担しなければなりません。消費者は、製品の買い換え時、購入代金のほかに、一万円近い新たな負担が加わることになり、このままでは不法投棄が増えることになりかねません。

 家電製品の収集・運搬作業は電器店がおこなうことを義務づけられています。経費は消費者に請求できるとしても、料金の水準によっては顧客が減る可能性もあることから、小売店が負担をかぶるという問題も起きるでしょう。そのほか、自治体の負担増の問題もあります。これまで市町村は、無料か千円前後の収集料金を徴収して家電製品を回収していました。しかし、電気店より低料金だと市町村の回収ルートに集中する恐れがあるとして、収集料金の値上げを発表する自治体も現れています。

 ヨーロッパでは、製品の製造から廃棄物になった後の処理についてまで、メーカーが責任をもつ方向が広がっています。

 日本共産党は、家電リサイクル法の審議の中で、リサイクル費用の負担の問題を含め、リサイクルでの製造者の責任を明確にすべきだと主張しました。いま、この指摘の重要さがいっそう明白になっていると考えます。(野)

 〔2000・11・6〕


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