2000年3月30日「しんぶん赤旗」

 生活密着型公共事業の雇用効果は?


 〈問い〉 公共事業はゼネコン型より生活密着型の方が雇用効果が大きいということですが、その根拠について教えてください。(三重・一読者)

 〈答え〉 自民党政治は、「景気対策」と称して、大型開発中心の公共事業に財政を優先的につぎこむ、公共事業積み増し政策をすすめてきました。この公共事業積み増し政策が、景気回復につながらないばかりか、雇用拡大にも役立たないことは、データの上でも明白です。

 日本共産党の志位書記局長が、二月十四日の衆院予算委で示したように、九〇年代、公共工事費は十四・六兆円(九〇年度)から十六・六兆円(九八年度)に増える一方、同時期の就労者数は百二十九万人から、八十五・九万人に減っています(建設省「公共工事着工統計年度報」)。公共事業の工事規模・企業規模別の受注率を見ると、例えば五億円以上の大型工事(九八年度)の九二%を資本金一億円以上のゼネコンが受注しています。ゼネコン型の公共事業は、大型化・機械化し、中小業者や建設労働者に仕事がまわらないため、公共事業費をふやしても、雇用効果が生まれないのです。

 住宅、公園、下水道などの生活密着型公共事業は、中小企業に仕事がまわるだけでなく、労働者の効用効果も大きいことが明らかになっています。九八年度の公共事業の百万円当たりの就労者数(のべ人数)を工事規模別に見ると、大型事業ほど雇用効果が低く、中小規模の事業ほど高くなっています。

 日本共産党は、公共事業の規模を思い切って縮減し、社会保障に手厚い財政に転換すべきこと、公共事業の中身も雇用拡大に結びつく福祉・生活密着型に転換すべきことを主張しています。公共事業の規模の見直しと生活密着型への転換は、財政再建の上でも、景気回復の上でもいよいよ重要になっています。(豊)

 (2000・3・30)


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