1999年12月20日(月)

 生産者米価の暴落をどうする?



 〈問い〉 生産者米価の暴落がここ何年も続いています。日本共産党は、政府がこれにたいし実効ある対策をとらないことを批判していますが、どうしていくべきだと考えていますか。(新潟・一読者) 

 〈答え〉 生産者米価は、この五年間で二割も下落し、米作農家は深刻な打撃をうけています。このままでは米のつくり手が激減し、日本の米づくりが崩壊しかねません。生産者米価を回復させることは緊急の課題です。ところが、政府の唯一ともいえる対策は、米価が下がるのは米が過剰だからという理由で、農家に大規模な減反を押しつけることです。しかし、それは、真の原因から目をそらしたもので、ほとんど実効がないことはここ数年の経過でもあきらかです。

 日本共産党は、米価下落の原因をとり除く根本的な対策が必要だと考えています。一つは、米の輸入をやめるか、大幅に削減し、輸入米は海外援助にまわすことです。政府は、九五年から、アメリカの圧力に屈し、必要ない米を大量に輸入しています。いまや年間七十万トンを超え、かなりの部分が主食用・加工用に回され、国内産を大きく圧迫しているのです。米の輸入をこれ以上続けることはとうてい許されません。

 もう一つは、大手スーパーなどによる買いたたきをやめさせることです。米が市場まかせにされ、量販店などが乱売合戦をくり広げ、資本力を背景にコストを無視した低価格をおしつけています。これを野放しにしては、農家がいくら減反をしても米価下落をとめるのは困難です。当面、政府が昨年廃止した、米価の変動を一定の幅におさえる制度(値幅制限)を復活させるべきです。

 より根本的には、政府による米価の下支え制度を確立することです。

 今日の事態は、政府の買い入れ量を一部に限定して、米に市場原理をおしつけた新食糧法が生み出したものです。米価にたいする政府の影響力を回復するため、その買い入れ数量を大幅に増加させ、買い入れ価格も引き上げるべきです。

 欧米では農産物について今日でも最低価格保障を維持しています。日本でも、政府の農業予算のなかで価格所得保障のしめる比率をEU諸国なみに引き上げれば、米価の下支えは可能だと考えます。(橋)

 〔1999・12・20(月)〕


機能しない場合は、上にあるブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。