1999年12月11日「しんぶん赤旗」

 大企業の民主的規制の内容は?



 〈問い〉 日本の現状をかえる上で”大企業への民主的規制”が必要だと日本共産党は主張していますが、具体的にはどんなことを考えていますか。(北海道・一読者)

 〈答え〉 民主的規制とは、日本経済のなかで絶大な力をもつ大企業にたいし、国民生活に損害を及ぼすような横暴をおさえ、国民生活向上と国民経済の安定的発展のために、その経済力にふさわしい社会的責任を果たさせるというものです。具体的にはつぎの内容をもっています。

 一つの柱は、国民の生活を守る民主的なルールをつくり、大企業にこのルールを守らせることで、大企業の横暴をおさえることです。

 たとえば、いま大企業・大銀行がリストラを口実に大規模な人員削減計画をすすめていますが、こんな野放しの大量解雇は、欧州諸国では認められません。一方的な解雇を禁止する解雇規制法の制定や、労使協議の義務づけ、合併を理由にした解雇の禁止など、欧州諸国では当たり前になっている雇用を守るルールを確立することが必要です。このように、多くの資本主義国で実現している、大企業の横暴を法的に規制する民主的ルールづくりを、中小企業分野での大型店の進出規制や下請け保護、環境保護分野でのダイオキシンの排出規制強化など各分野でもおこない、国民の利益に反する勝手なまねを許さないようにします。

 もう一つの柱は、財政、税制、社会保障など、政府がもっている経済への介入のしくみを、大企業本位から国民本位に転換して、大企業に当然の責任を果たさせることです。

 たとえば、ゼネコン中心の公共事業に社会保障の二倍半ものお金をつぎ込むなど、日本の財政運営は大企業優先という点で世界でも異常なものです。日本経済の主役である中小企業対策予算(千九百二十三億円)が、長銀という一銀行の不良債権処理につぎ込む四兆五千億円のわずか二十三分の一というのも、一国の産業政策としてまったく異常です。こんなやり方をあらため、経済の運行を国民生活の向上と日本経済の正常な発展をはかるようにします。(理)

〔1999・12・11(土)〕


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