CDや映画の著作権をどう考える?


 〈問い〉 最近、CDや映画などで著作権をめぐるトラブルがおきていますが、日本共産党は、著作権についてどう考えますか。(東京・一読者)


 〈答え〉 著作権とは、作家、作曲家などがつくった著作物の、出版や放送、演奏などにかかわる権利を保護するものです。著作権法は、演奏家など実演家の権利(著作隣接権)も同じく保護しています。

 近年の録音・録画技術の急速な進歩でCDのコピーが増え、その売り上げに比例して音楽家たちの大幅な収入減を招いています。コンピューターと結びついたデジタル技術の発達で、音声や画像が容易に改変されたり、最近では、人気アーティストのヒット曲をパソコンにとり込み、インターネットのホームページに無断で公開し、不特定多数の人が受信できるようにした事件もおきるなど、著作者の許諾がないまま権利が侵害される危険が増しています。

 現在、映画が製作会社にのみ著作権を認めている現行法の改正や、俳優(実演家)の人格権の確立、保護期間が消滅した写真家の著作権をさかのぼって権利復活を求める関係者の要望の実現など、現行著作権法を改正すべき課題が山積しています。これまで、日本芸能実演家団体協議会や全日本写真著作者同盟など関係団体のねばり強い運動で、一九七〇年の大幅改正後も数次にわたる改正がはかられてきました。今国会でも、無断コピーの規制を強めるなど著作権法の一部改正がはかられます。

 日本共産党は、著作権を擁護することは日本の文化と社会発展の重要な尺度の一つと考えています。その立場から、「著作者の権利をまもることは、将来にわたり文化の創造的いとなみを保障するための欠かせない条件です。著作権法を技術革新の実態にあうようすみやかに改正し、芸術家の著作権をまもります」(「文化提言」、九五年)とのべ、その具体的課題についてあきらかにしています。

 著作権が守られなければ創作意欲も失われます。著作権の意義を広く国民に伝え、権利をないがしろにしようとする動きを封じることは、国民にとっても、文化の豊かな発展とその享受という実りをもたらすものとなるにちがいありません。(日)

〔1999・5・31(月)〕



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