憲法と新しい権利の関係をどう考える?

1998年12月13日付「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 憲法九条の改悪を中心にして改憲しようとする動きには反対ですが、憲法に明記されていない新しい権利も生まれてきているから憲法も変えたらとの意見もあります。どう考えますか。(滋賀・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、将来にたいする理論的展望として、日本が名実ともに「国民が主人公」となる社会として発展するにつれて、憲法も、国民の総意にもとづいて進歩発展してゆくべきものだと考えています。もちろん、この場合の憲法の進歩発展が、いまの憲法の平和的民主的原則――憲法五原則((1)国民主権と国家主権(2)恒久平和(3)基本的人権の尊重(4)議会制民主主義(5)地方自治)をいっそう充実、徹底、発展させるものであることはいうまでもありません。

 同時に、私たちは、いまの憲法を、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」(第一三条)や「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(第二五条)をはじめ、他国の憲法に類をみない、豊富で充実した人権規定を定めた先駆的な憲法だと考えています。

 そのうえで大事なことは、憲法制定以来、主権者国民の粘り強い運動やたたかいによって、憲法改悪のくわだてが阻止されるとともに、基本的人権の内容として「環境権」や「知る権利」、「プライバシー権」などがかちとられてきたことです。これらはいずれも、憲法の「字面」には書かれていないものですが、憲法が保障している基本的人権の重要な内容に含まれているものとして、国民の常識となり、国政・地方政治がよって立つべき根本基準となっています。

 いま重要なことは、憲法改悪のあらゆる策動に断固反対するとともに、憲法を踏みにじって国民に犠牲を押しつける自民党政治をきっぱりときりかえ、憲法の平和的民主的原則を徹底する政治をうちたてることです。日本共産党は、二十一世紀の早い時期に民主連合政府をつくるために奮闘しています。この政府は、平和の問題でも、国民の暮らしと日本経済の問題でも、民主主義の問題でも、文字どおり憲法五原則を国の進路の「羅針盤」にすえて前進することを目標にする政府です。(重)〔1998・12・13(日)〕


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