日本共産党

逆ピラミッド型の
労働者の構成の問題とは?

 2001年4月 5日(木)「しんぶん赤旗」


 

〈問い〉 日本共産党は労働者の年齢構成が「逆ピラミッド型」になっていることを問題にしています。どういう問題なのですか。(北海道 O・M)

 

 〈答え〉 大学や高校を卒業した学生の新規雇用の採用抑制が続けられ(一九九二年と比べて四割減)、また大企業を中心に乱暴なリストラが進められるなかで、職場で若い人が減少し、労働者の年齢構成が若くなるほど少なくなるという「逆ピラミッド型」になっています。これは、産業・企業の存立基盤そのものをゆるがす問題であり、日本社会の発展に暗い影を落としています。

 たとえば、早い時期から新規採用を抑制してきた造船業界では、大手七社が、七八年の七万人から昨年の一万三千人へと人員を大幅に削減しました。そのため「人員削減で技術継承もままならない」「人員育成に力を入れ技術の伝承をしないと会社はつぶれる」との声が上がり、設計ミスやエンジンの不具合による「スピードのでない船」や「浮かばない船」といわれる不良品が作られているといわれています。造船に限らず、“日本製品は品質管理がゆきとどいている”という宣伝文句は、過去の話となりつつあります。

 政府や自治体の多くも社会保障や教育、防災分野で「財政難」を理由に予算を抑え、公務員の採用抑制を続けています。教員は、この十年間で新規採用が三万三千人から一万一千人へと減らされました。そのため二十歳代の教員比率は、小学校で八九年度の一九・〇%から九八年度の一〇・七%へ、中学校で二四・五%から一三・九%へと減少しています。「小学校の七割に二十歳代の先生がいない。全員が四十歳以上の学校も」(千葉県船橋市)、「二〇〇七年には二十歳代が二・三%、九割以上が四十〜五十歳代に」(神奈川県公立高校)など、ここでも「逆ピラミッド」がすすんでいます。

 日本共産党は、雇用政策の転換をはかり、青年の雇用をしっかり確保し、「逆ピラミッド型」を解消することを求めています。

(坂)

〔2001・4・5(木)〕

 

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