日本共産党

“リストラ増益”をどう見る? 

 2001年3月14日(水)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 企業の“リストラ増益”ということがいわれています。これをどう見ますか。

(三重・一読者)

 

 〈答え〉 大企業の収益は、経常利益が前期比三四%増と過去二十年間で最も高い伸びになる見通しになっています(二〇〇一年三月期連結決算)。この収益には、売り上げは増えないのに、利益だけが増えているという大きな特徴があります(図参照)。

 この間の長引く不況で消費が減少し、売上げが伸びないなかで各企業は、コスト削減のためにリストラ・人べらし、賃金カットに走りました。その結果、「三井造船は減収だが、人員削減を進めたほか全従業員の給与を一律に削減」して利益を二・七倍に、住友金属鉱山も工場閉鎖などの「合理化」で利益を三倍に(「日経」二〇〇〇年十一月二十五日付)等々と報じられる状況が生まれているのです。

 “リストラ増益”は、長続きするものではありません。企業収益の増加が国民の所得増と消費増につながり、生産がさらに増えるという好循環でなく、反対にリストラ↓所得と消費の減少↓売り上げ減↓いっそうのリストラ、という悪循環に陥る危険が大きいからです。実際、企業の設備投資の動向は最近鈍化しています(法人企業動向調査報告)。悪循環の現状に手を打たなければ、経済も企業もまともに成長できず、将来に大きな禍根を残すことになります。

 リストラ支援など自民党政治のゆきづまった雇用政策をおおもとから切り替え、雇用の安定と拡大をはかるルールを確立することは、日本経済を立て直す上でも不可欠です。       (龍)

〔2001・3・4(日)〕

 

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