日本共産党

借金財政が進むとどんな悪影響が?

 2001年2月4日(日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 財政危機の深刻化がいわれていますが、いまのように国債が増発されていくと、日本の財政・経済にどんな悪影響が予測されるのでしょうか。(兵庫 H・K)

 

 〈答え〉 二〇〇一年度政府予算案は、新たに二十八兆三千億円の国債を発行、年度末の国債残高は三百八十九兆円に、国・地方合わせた長期債務残高は、六百六十六兆円にのぼります。

 この借金財政の進行は、日本の財政・経済と国民生活に大変深刻な事態をもたらします。

 いまは低金利の状態が続いていますが、そのもとでも国債の利払いは十兆円にのぼっています。金利が上昇すれば、利払い費は倍以上にも膨れ上がる可能性があります。歳出の中で利払い費が膨らめば、当然財政は圧迫されます。

 また、国債の大増発が続くと、国債への信用が失われ、国債価格が大暴落する事態も予測されます。巨額に膨れ上がった国債の大暴落は、金融市場と国民生活に混乱をもたらすだけでなく、世界経済にも否定的な影響をあたえることになります。

 自民党政治が、大型公共事業や銀行支援のような浪費型財政をそのままにして、「財政危機の打開」をはかろうとすれば、国民に“三重苦”の犠牲を押しつけることしかなくなります。(1)悪性インフレ―国債増発が続き、国債を買ってくれる人がなくなると、日本銀行がお札(日銀券)を発行して引き受け、お札の価値が下がって物価が何倍、何十倍にもはね上がるひどいインフレになる、(2)消費税の増税、(3)社会保障、医療、教育をはじめとする国民生活向け予算の大幅切り捨て、です。

 財政には、所得の再分配機能といって、個々の国民や企業の所得から税や社会保険料を徴収し、生活扶助や社会保障として給付するという大事な機能があります。社会保障が削られる一方で、低所得者に消費税増税の負担がのしかかる、そして高額所得者がおもに保有する国債の利払いに財政がつぎこまれるという事態は、所得の再分配機能の破壊を意味します。

 このような破局を招かないようにするために、公共事業優先・社会保障抑制の逆立ち財政を抜本的に転換させることをはじめ、歳出・歳入の両面から国民本位の財政再建に踏み出すことが急務になっています。(龍)

〔2001・2・4(日)〕


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