日本共産党

排ガス対策に
路面電車復活をの声があるが?

 2000年12月16日(土)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 車の排ガス対策として、路面電車、トロリーバスを復活させようという考え方をどう思いますか。(千葉・一読者)

 

 〈答え〉 日本で、運輸部門から出る二酸化炭素の排出量は、全体の二割といわれ、なかでも自動車からの排出量は、運輸部門の九割を占めます。輸送人キロあたりの二酸化炭素の排出量は、鉄道一〇〇、乗り合いバス四一三、自家用自動車九四九ですから、路面電車・トロリーバスなどの公共交通機関が、大気を汚染をしない環境に優しい輸送機関であることがわかります(「運輸白書」九八年度)。

 日本は、モータリゼーション(自動車化政策)の促進で路面電車の廃止が相次ぎ、いま稼働しているのは、十九都市にすぎません。しかし近年、路面電車は、環境に優しい交通機関として、また交通渋滞を解消させ、在来市街地を活性化させる対策として重視され、復活を求める声が広がっています。さらに最近は、車いすの人も介護なしに利用できる低床車両のLRT(軽快電車)の機能改善が図られ、高齢者・障害者の交通バリアフリー化への対策の面からも、脚光を浴びています。

 日本共産党は、公共交通機関の整備・充実とともに、環境に優しい交通機関の復活・普及を積極的にすすめるべきだと考えます。

 路面電車の整備は、世界的に見ると一つの流れになっています。一九七八年以降、路面電車(LRTを含む)を新設した都市は、アメリカ十三、ドイツ二、フランス五、イギリス四、ロシア二、その他四十四カ国・三十六の各都市に上ります(『JRガゼット』十月号)。この流れの背景には、大都市を中心に大気中の窒素酸化物が深刻化し、対策の強化が求められていること、大気中の二酸化炭素等の温室効果ガスの増加による地球温暖化が、重大な環境問題となっていることがあげられます。

 地球温暖化防止会議のとりきめで、温室効果ガスを削減する先進国の目標が決められています。日本は、削減目標の達成という点からも、モータリゼーション優先から路面電車等の公共交通機関の整備促進の方向に転換することが求められています。

(阿)

〔2000・12・16(土)〕


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