日本共産党

消防士を増やしてほしいが…?

 2000年12月10日(日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 友人に消防士希望者がいますが、難関でなかなか合格できないそうです。市民生活を守る上で大事な役割を担う消防士を増やせないのでしょうか。(大阪・N生)

 

 〈答え〉 一九九八年度の消防職員受験者数は、全国で五万四十人、採用者は二千八百十一人。一七・八倍の競争率です。都道府県別で見ると、東京四〇倍、神奈川二四倍、大阪二七倍、福岡二五倍など、大都市で高くなる傾向があります。

 市町村は、火災の予防等に必要な最小限の施設及び人員を確保することになっており(消防組織法二〇条)、その確保は、国が自治体の規模に応じて定める「消防力の基準」にもとづいておこなわれます。

 従来の「基準」をもとにすると、必要とされる消防職員数は、二十万七千二百二十三人、実際の職員数は、十四万八千九百八十九人で、充足率は七一%です(ことし一月、「基準」の見直しがおこなわれましたが、これは、現状に「基準」の方を合わせたものにすぎません)。

 政府は、これまで「地方行革」推進の名のもとに、自治体にサービス部門を含めた職員定数の削減、自治体リストラを強要してきました。自治省は、定員削減のモデルまでつくり、自治体に「定員適正化計画」を作るよう迫りました。このため、多くの市町村が消防力基準を充足しないことを知りながら、消防職員定数を抑えることを余儀なくされているのが実情です。

 日本共産党は、政府による自治体リストラの押しつけに反対するとともに、阪神・淡路大震災の教訓に照らしても消防力の抜本的強化と災害に強い都市づくりを国として責任をもってすすめるべきだと主張しています。

(板)

〔2000・12・10(日)〕

 

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