外国の選挙制度の中で「非拘束名簿式」は?

2000年10月14日(土)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 自民党など連立与党が押し通そうとしている「非拘束名簿式」の選挙制度は、外国の選挙制度の中に見られるのでしょうか。(北海道・一読者)

 

 〈答え〉 参院選挙での比例代表の選び方を現行の「拘束名簿式」から「非拘束名簿式」に改めるという自民党などの選挙制度改悪法案は、一人で何人分も得票できるタレントなどの候補者を立て、あまった得票を同じ党の別の候補者に“横流し”し、有権者の意思に反して当選者を出せるという、道理に合わない選挙制度です。このような選挙制度を採用している例は、世界の主要な国々を見てもありません。

 世界では、小選挙区制と比例代表制を組み合わせる国を含め多くの国が比例代表制を採用していますが、比例代表の選び方は「拘束名簿式」が主流です。ヨーロッパの主な国を見ても、ドイツ、イタリア、スウェーデン、スペイン、ハンガリーなどが「拘束名簿式」を採用しています。

 ヨーロッパでは、「非拘束名簿式」といわれる方式を採用する国も見られます(オランダ、ベルギー、オーストリアなど)。しかし、日本で自民党・連立与党がゴリ押ししているような、全国一区で、しかも個人への投票をまるまる政党への票に翻訳して、読みかえるような方式を採る国はありません。

 オランダ――個人名投票とはいえ、名簿にはあらかじめ順位を付し、余剰票の移譲はその順番に従っておこなわれる。

 ベルギー、オーストリア――全国一区でなく、大選挙区、地域選挙区といった選挙区を設ける。

 自民党が、外国にも例のないような制度をゴリ押ししようとするのは、比例代表選挙で回を重ねるごとに自民党が得票後退するのを選挙法を改悪することで食い止めたい、大量得票のできる候補者を立てて票を“横流し”し、実力以上の議席を取れるようにしたいという思惑があるからです。党利党略にもとづくこのような選挙制度改悪は絶対に許せません。(豊)

  〔2000・10・14(土)〕

 

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