子どもがよい文化と接するには?

2000年 6月26日 (月)「しんぶん赤旗」


〈問い〉 暴力的、退廃的な文化が子どもの成長をゆがめていることに心が痛みます。日本共産党は、子どもがよい文化と接する機会を広げるために、何が必要だと考えますか。(東京・一読者)

 〈答え〉 暴力や性をむきだしにした映像や雑誌に子どもたちが無防備でさらされている問題は、諸外国の比べても異常さがきわだっています。日本共産党は、この立ち遅れを克服し、子どもたちを社会的な退廃からまもるために、テレビや雑誌などの文化面で、社会の自己規律を確立する必要があると提案しています。

 同時に、子どもたちが豊かな人間性をはぐくむ上で、すぐれた文化に接する機会を広げることは、非常に大事です。阪神大震災のとき、避難所暮らしですさみがちの子どもたちを励ましたのは、ボランティアの芸術家や文化活動家が届けた音楽や演劇などでした。心をゆさぶるすぐれた芸術文化は、退廃的な文化環境から子どもをまもり、子どもたち自身が、文化的退廃に負けない健全な判断力を身につけていく力になります。

 ところが、そういう大事な仕事を担っている人たち、とくに児童演劇関係者の生活がきわめて不安定で、舞台づくりに全力を投入できない状況があります。こうした経済的障害をなくすために、「子ども舞台芸術基金」を創設するなど、子どものための芸術文化活動をすすめる芸術団体への国や自治体による運営助成の拡充、税制上の優遇措置などをはかる必要があると考えます。

 さらに学校や地域社会で子どもたちが文化・芸術に親しみ、感受性を養う機会をふやすなどの情操教育を重視する必要があります。学校における芸術文化鑑賞の位置づけを明確にして、学校運営費などによる学校公演への公費助成を実現したとりくみや運動(大阪市、名古屋市など)ももっと広げたいものです。

 「魂が人形に奪われたようになりました」―学校公演の人形劇を初めて見た中学一年生の感想です。子どもたちのすこやかな成長を保障するため、すぐれた芸術文化のもつ力が十分に発揮される環境をつくることは、社会全体の責任です。

(豊)〔2000・6・26(月)〕

 

 

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