2000年4月15日(土)「しんぶん赤旗」

 都の大手銀行課税への態度は?


 〈問い〉 東京都が提案した大銀行への課税は、当然だと考えますが、日本共産党はどういう態度なのですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 東京都の提案した銀行課税は、都内に本支店をもつ資金量五兆円以上の大手銀行など三十の金融機関を対象に、本年度から五年間、業務粗利益の三%(農林中金など特別法人は二%)を課税するというものです。これは、大もうけをしながら税金逃れをしている大手銀行の法人事業税を「外形標準税」化(企業の利益に課税するのでなく、売上高といった「外形」を基準に課税する)して、新たに課税しようというもので、日本共産党は、都議会でこの課税条例案に賛成しました。

 大銀行は、これまで大もうけし、大手十七行で二兆五千億円もの業務純益をあげています(九八年度決算)。ところがこれら大銀行は、もうけを不良債権処理や内部へのためこみにまわし、みせかけの利益を大幅に圧縮しているため、本来、もうけの四六・三六%、約一兆二千億円を収めなくてはならないのに、実際には千九百億円しか収めていません。大銀行は、この間、税金による巨額の支援を受けてきました。その銀行が、本来負担すべき税負担を免れることは、許されません。

 税負担の力がありながら課税を逃れる大銀行に、自治体が適切に課税するのは、当然です。日本共産党は、大企業などへの適正な課税を早くから主張。二年前、都議会で、税負担力のある大銀行などに適切に課税するよう提案しました。

 同時に日本共産党は、法人事業税を一律に外形標準課税にして、全国すべての企業に適用することには反対しています。

 法人企業の六割は赤字で、大半が中小企業です。不況のもとで利益が実際にあがらない中小企業にまで工場面積や売上高などで課税する外形標準課税を一律におこなえば、営業に深刻な打撃をあたえます。大阪大の梅原英治教授の試算によれば、いまの法人事業税収を外形標準課税でまかなおうとすると、資本金五千万円未満の法人はすべて大増税、逆に大企業は減税になります。都の新税にかこつけ、中小企業いじめに乗り出すことは許されません。 (和)

 〔2000・4・15(土)〕



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