日本共産党

2001年5月5日(土)「しんぶん赤旗」

 「思いやり」予算による米軍施設件数の特徴は?


 〈問い〉 日本共産党の調べで「思いやり」予算による米軍施設件数がわかったそうですが、どういう特徴があるのですか。(青森・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、在日米軍への「思いやり」予算の施設整備の内容を具体的に明らかにするよう長年要求してきましたが、防衛施設庁が三月、赤嶺政賢衆院議員に提出した資料で、一九七九年度の負担開始以降二十二年間に建設してきた、すべての施設と施設別の予算額が初めて明らかになりました。

 資料によると、政府が建設した米軍施設は、一万一千九百三十件、総額一兆六千五十億円に及ぶばく大なものです。

 特徴の一つは、政府が国民生活のための予算を切り捨てる一方、在日米軍にたいしては至れり尽せりの手厚い支援を施してきたことです。家族住宅の建設では、「米軍人の生活形態、文化、体格などを考慮」するなどとして、豪華な住宅を提供しつづけてきました。高層住宅の標準的な広さは、日本の公営住宅の平均面積の二・七倍、司令官用の住宅に至っては、三つの浴室、四つの寝室に加え、食堂が十九畳分、居間が三十三畳分もある「豪邸」ぶりです。さらに、劇場や映画館、ボウリング場、フィットネスクラブなど、およそ安保から説明のつかない娯楽施設や憲法違反の教会の建設まで。また、日本で切実な国民要求の三十人学級が実現していないのに、米国の基準で、十八〜二十五人学級の学校の建設も進めてきました。

 二つ目の特徴は、米軍の海外での軍事行動を直接支える作戦支援関連施設の建設を進めてきたことです。総予算額の約四割がこのような施設です。この中には、爆撃を回避するためのシェルターや滑走路に加え、漁業実習船「えひめ丸」を沈没させた「グリーンビル」のような攻撃型原子力潜水艦のための司令部棟や岸壁の整備も含まれています。米国防総省の報告書が「日本はどの国より気前がよい」と指摘しているように、これほど手厚い支援をしている国は世界のどこにもありません。

 異常な「思いやり」予算は廃止すべきです。(竹)

 〔2001・5・5(土)〕 



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