大規模修繕を見直す際の建物診断の段取りと意味

回答者 マンション管理士 千代崎一夫さん(ハウジングケースワーカー・住まいとまちづくりコープ)

 

 築二十八年で五階建て、八棟二百戸の、海に近いマンションに住んでいます。今度の理事会で建物修繕の見直しを提案するつもりです。経費などの問題もありますが、マンションを長持ちさせなくてはと思っています。伺いたいのは、これから専門家に依頼した際、建物診断はどのような段取りでおこない、どのような意味を持つのかということです。(F生)

千代崎 長期計画の作成はいつごろに。
――二十年前です。

千代崎 その間に大規模修繕は。
――十二年前に壁のひび割れが見つかり、このままでは鉄筋が傷むのではないかと思って修繕をしました。

千代崎 そうした修繕の時に、長期計画の見直しをするとよかったのです。
最初の長期計画は、建物の傷み具合の経年変化を標準的な数値で作ります。そして、建物の施工の程度とか、海に近いと塩害が考えられるとかを考慮して修正や、作り直しの必要が出てきます。今回はそのチャンスですね。

――建物診断の最初は目視と聞きますが、次の段階の診断とどのように違うのですか。
千代崎 それは建物診断の目的が、計画を見直すのか、工事目前の調査なのかなどによって違ってきます。また耐震診断なども必要なら行っています。
 建物診断は大きく分ければ、二段階になります。目視や部分的に壊して調べることも含めた「調査」という部分が第一段階です。調査のさまざまなデータに基づいて行なうのが「評価・判断」です。両方を併せて「診断」ということになります。
 本来は、こうした目的も含めて考えるときには、専門家が必要です。その人には建物などの専門性と今年から生まれたマンション管理士のような総合的知識を併せ持つことが要求されています。

――耐震診断についてはどうでしょうか。
千代崎 あなたのマンションが五階建てだとすると、一階まで住宅だと思います。この柱がでていない壁式のタイプは、阪神大震災では強かった部類の集合住宅でした。
 マンションは診断をきちんとすることと、診断結果による手当てをきちんとしていけば長持ちします。私はどんな建物でも五十年、頑張って百年と長持ちさせようと、管理組合の方々と協力し合っています。
 建物には当然寿命がありますが、長く使うには、改良を含めた改修をし、維持管理をしていくことです。その一歩になるのが調査診断です。まずは気楽に相談してみましょう。


(2002年12月18日)



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