毎月、修繕積立金を払い契約時なぜ積立基金必要

回答者 マンション管理士 千代崎一夫さん(ハウジングケースワーカー・住まいとまちづくりコープ)


 

 現在住んでいるマンションが手狭なので、少し大きな新築マンションに買い替えたいと思っています。売買契約の中に「修繕積立基金」という名目の費用があります。本体の費用や毎月取られる「修繕積立金」などさまざまなお金がかかるほかに、契約時に「修繕積立基金」として三十万円も払わなければならないのは、納得がいきません。何に使う費用でしょうか。管理費は二万五千円で、修繕積立金は五千円だそうです。(神奈川県・T生)


 千代崎 最近こういう名目でお金を集めることが増えています。
 Tさんは若干勘違いをしていると思います。それは「修繕積立基金」や「修繕積立金」を「取られる」と思っていることです。この両方のお金は、「取られる」のではなく「ためている」ものです。
 ただし、このお金は規定された使い道でないと取り崩すことはできませんし、区分所有者個人に帰属するお金でもなく、管理組合のものです。管理組合が維持管理・修繕・改修等に限って使える資金ということになります。
 積立金も積立基金も本来のお金の意味は同じ性格のものです。
 早い時期に何かの工事でお金が必要になったときに、大抵は積立金が思うほどたまっていないので、一時金を集めないと必要な工事ができないからです。
 その際、契約時の積立基金などでたまっているお金を使えば、所有者の怒りが大きくならないで工事ができるという効果をねらっているのです。

 ――新築マンションに修繕が必要とは。
 千代崎 確かにそうです。新築時に必要な工事というのは、建て主、売り主の責任でやられるものです。もし積立金や積立基金を欠陥工事のしりぬぐいに使おうとしたら、管理組合が許してはならないと思います。
 さらに欠陥とまではいえなくても、本来は売り主に費用負担をさせるべきこともたくさんあります。

 ――管理組合の役割が大切になっているのですね。
 千代崎 アフターサービスの期間などもありますので、購入直後の一年、二年の対処がとても大切です。
 専有部と共用部両方の問題に対処するには、入居してすぐの時期から区分所有者の組織である管理組合が正常に、しかも精力的に動かなければなりません。管理組合を構成している区分所有者一人ひとりが早くから自覚することが大切です。


(2001年05月16日)



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