手付金払いローン申込み、もし不成立の時に契約は

回答者 弁護士 横松昌典さん(淡路町法律事務所)


 夫と共有名義で中古マンション購入の契約をし、手付金三百万円を払い、残金については二人の収入で返して行く予定で、ローンの申し込みをしました。

 まだ最終結論が出ていませんが、金融機関の担当者から私の分は無理かもしれないと言われてしまいました。もしローンが予定通り実行されない場合は、契約はどうなるのでしょうか。(千葉県・M子)

◇ ◇

横松 契約書にローン不成立の場合は、契約を白紙にするという意味の条項がありますか。

──契約書がいま手元にないので詳しい内容は分かりませんが、確かにそのような条項があったと思います。

横松 売買代金の融資が得られなかった時は、買い主に解除権を与えるもので、一般に「ローン条項」と呼ばれるものです。
 ローン条項による解除が認められれば、手付金放棄による解除とは異なり、手付金は戻ってきます。

──融資が認められなければ、無条件で解除できるのですか。

横松 融資を申し込んだけれども、買い主の責任ではなく、「客観的障害」により、成立しなかった時に解除が認められると解釈されています。

──実はローン申し込み後に、私の勤め先の会社が民事再生を申し立てることになってしまいました。従業員の雇用は当分継続されるのですが、賞与をはじめ、給料が下がるだろうということで、前年の収入が基準にできないというのです。

横松 そういう事情であれば、「客観的障害」に当たります。

──売り主側の不動産業者に相談すると、いまの金融機関は駄目でも別の融資先を紹介すると言っています。
 ただ、そこは金利も高く、別の連帯保証人も付けなければならないので、夫も私もあまり申し込みたくないと答えたところ、それでは買い主の努力義務違反だなどと責められて困っています。

横松 ローン条項で金融機関が特定されている場合はそこに申し込み、融資成立に向けて積極的に努力する必要はありますが、他の金融機関に申し込む義務までありません。

──仲介手数料は支払わなければならないのですか。

横松 仲介手数料も支払う必要がないとされるのが一般的です。

──ようやく見つけて気に入った物件なので、買いたい気持ちもあって迷っています。いつまでに結論を出せばよいのでしょうか。

横松 ローン条項による解除の期限を決めている場合が多く、期限を過ぎると解除ができなくなってしまいます。
 また、期限を定めていない場合も、融資が承認されないことが分かってから、相当の期間が過ぎてしまうと、解除ができなくなるとした裁判例もあるので注意が必要です。

(「しんぶん赤旗」2004年2月18日付)



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