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橋下市長による「思想調査」を糾弾し市職員が提訴

強権的な政治を許すな

 大阪市はこの8月、政治活動規制条例の「解釈・運用」の指針を通知し、憲法違反の条例を始動させようとしています。職員が「消費税増税反対」「原発再稼働反対」などの国民的政治課題に積極的に取り組むことを禁止するという、条例の異常さを改めて浮き彫りにしました。

 一方で、橋下徹市長は自身のツイッターで、公務員が維新政治塾に参加することは許されるなどと発言。これに対し、マスコミも「ダブルスタンダード」(二重基準)と批判しています。「選挙で選ばれた以上、何をやっても許される」という、相変わらずの独裁体質を示しています。

本来なら退場

 「『維新の会』が次々とくりだしてくる手は、“挑発”というほど反憲法性が際立ち、本来なら一発退場・レッドカードだ。あまりにあからさまな憲法無視の攻撃に対抗しないわけにはいかない。憲法学者も弁護士も、存在証明がかかる問題」

 憲法研究者の小沢隆一さんはこう語ります。教育内容への政治介入を公言し、市職員の思想調査、「君が代」斉唱の口元チェックを強行。さらに違憲の政治活動規制条例です。

 「日の丸・君が代」訴訟に長年取り組んできた澤藤統一郎弁護士も述べます。

 「教育の営みについては、時の多数派が教育内容を自分に都合よくコントロールすることは許されないという原則を憲法や教育法は確認しているのに、橋下氏は『多数派が教育に介入してよい』という。こういう政治家はいままでいなかった」

 国政進出を目指す政策集「維新八策」では、9条「改正」についての国民投票導入や憲法改正要件の緩和など、正面から憲法への挑戦姿勢を明確にしています。

「憲法の出番」

 澤藤氏は「憲法は、多数決をもってしても人権侵害は許されないという制約を課すところに最高法規としての根本がある。ここは憲法の出番」と強調します。

 橋下氏は、野田首相の消費税増税の強行姿勢を評価するとともに、こう述べました。

 「強制的に物事が決まるルールをつくらないと、国会とか地方議員含めて、政治の場は物事が決められない」

 政治塾が4日に開いた2期目の第2回講義には、小泉内閣で経済財政相などを務めた竹中平蔵氏と、元経産官僚の古賀茂明氏が招かれました。

 憲法に挑戦する政治姿勢や、小泉「構造改革」の推進勢力や改憲タカ派とつながる人脈―。自民、民主の「二大政党制」が国民の厳しい審判にさらされ、崩壊しつつあるなか「維新の会」は国政進出の野望をふくらませています。しかし、その姿は古い政治をより強権的に推進する反動的逆流でしかありません。(おわり)

(2012年08月24日付)

 第5部は、大阪府・小浜明代、豊田栄光、中祖寅一、藤原直、森近茂樹が担当しました。

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