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橋下市長(左)から発令を受ける公募区長=8月1日、大阪市

「ベイビーズ」の品性

 「『維新の会』のメンバーはまだ国政に出るレベルにない。(小泉)チルドレンどころか、橋下ベイビーズです」。橋下徹大阪市長を支持するコンサルタントの大前研一氏は『週刊現代』(7月14日号)でこう指摘し、「彼らが当選してしまったら、小沢ガールズがもたらした以上の混乱が起こ(る)」との懸念を表明しています。

候補者を公募

 「維新の会」は3月から「維新政治塾」で次期衆院選に向けた候補者養成を進め、6月には当初約2000人いた受講生から塾生915人を選抜しました。同塾では現職国会議員は対象外です。しかし「維新」はこの間、大前氏のような懸念を意識してか、衆院選に臨む場合には塾生だけでなく現職国会議員も含めて候補者を全国公募する方針を固めました。公募は8月中にも始め、最終的に橋下氏ら幹部が直接会って候補者を決めるとされています。

 一方で橋下氏は、現職国会議員5人以上を要件とする「政党」化に向けて、民主、自民などの一部議員と合流する話を進めています。
 この間、大阪で問題になってきたのは、こうした手法で橋下氏らによって実際に選ばれ、地方選を通じて約100人に膨れ上がった「維新」地方議員の“質”です。

 今年の1月1日に起きた「維新」堺市議の飲酒運転・ひき逃げ事件では、同市議会で辞職勧告決議案が2回も全会一致で可決。有罪判決が確定しても6月まで居座り続けた市議の姿に市民から「税金泥棒」との厳しい声が上がりました。

告発のメール

 大阪市では2月に「維新」議員の程度の低さを告発するメールが職員から橋下市長に寄せられたことを受け、「維新」市議団が市幹部に市議の態度についての匿名アンケートを実施。結果報告書では、議員の氏名・会派の記載はないものの、職員に「『あほ』『ばか』という言葉を平気で使用する議員」もおり、「5階(市長室)に言いつけるぞ」と脅されたり、「都構想に理解を示したら都庁職員に推薦する」と言われた例もあると市幹部らが打ち明けています。

 若い市議が「交通局と組合が組織ぐるみで市長選に関与していた事を裏付けるもの」と取り上げたリストがねつ造だった事件も記憶に新しいところです。

 橋下市長が「面接を重ねた結果、自分の価値観と合うと思って選んだ」公募区長は、就任前に統一協会と関係があった人物や「菅直人は…私の前に来たら必ず殴ります」とツイッターで公言した人物も。就任後も権利である生活保護を「労働の対価と捉える」と宣言する区長やツイッターで相手を「アホか」と罵倒する区長が現れ、物議をかもしています。

 神戸女学院大の石川康宏教授はいいます。

 「橋下さんたちは、いま維新塾で、誰がお金を持っていて自分のいうことを聞く人間かを点検しているようですが、国政の候補者も政治家らしい品性を持ち合わせていない人が多くなる気がします」(つづく)

(2012年08月21日付)

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