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「TPP反対」と訴える大阪メーデー参加者=5月1日、大阪市北区扇町公園

米政府の顔色うかがう

 アメリカいいなりという点ではどうか。「維新八策」は「敲き台」から、「レジュメ」(3月)、「テキスト」(7月)と変化してきましたが、「日米同盟基軸」という点では、すべて同じです。

基地押しつけ

 7月版は、「日本全体で沖縄負担の軽減を図るためのロードマップの作成」を明記しました。しかし、米軍普天間基地(宜野湾市)の移設についてはふれていません。むしろ、はぐらかそうとしています。

 7月10日の囲み取材で、普天間移設を問われた橋下徹市長は、核心をはずす答えに終始しました。

 「地政学的な沖縄の重要さは変容してきているが、重要なことは重要」「基地が沖縄経済に寄与している部分はある」「沖縄は東洋で最高のリゾート地になると思っている。リゾートで経済活性化」

 その一方で、沖縄県をはじめ全国で反対の声が噴出している欠陥機「オスプレイ」については、普天間基地配備を押し付ける姿勢を示しています。

 「(沖縄の人に)納得してもらえるには、どういうルールにすべきか考えなければならない」(7月6日の囲み取材)

 3月版の公表直後、「普天間基地の沖縄県内移設」を打ち出した2006年日米ロードマップについて、橋下市長は「核心的部分は引き継ぐ。白紙にはしない。日米同盟を軸に安全保障上の視点で考え、決める」(3月12日の囲み取材)と語っています。

 外交・防衛政策は、現政府とも、自民・公明の前政権とも同じ。沖縄県民ではなく、米国政府の顔色をうかがっているのです。

TPP推進役

 経済政策でもそれは同じです。7月版は、環太平洋連携協定(TPP)への「参加」を明言しました。3月版には「TPP」はありましたが、「参加」の2文字はありませんでした。

 TPPは、日本農業の壊滅につながる「例外なき関税撤廃」だけでなく、投資、金融、保険、医療、労働における規制緩和を推進。国の規制・介入を排除する米国流の新自由主義経済を徹底し、外国で活動する米国企業を有利にする国際協定です。

 「維新八策」には、3月版にも7月版にも「農業」という文字がありません。「TPPと農業崩壊に因果関係はない。新しい農業ルールをつくらなければならない」(3月12日の囲み取材)というのが橋下市長の持論です。

 同じ場で、「自民党も民主党もTPPで割れている。維新の会はまとまっている。これひとつとっても維新の会が既成政党より勝っている」と語り、TPP推進役の“適格者”をアピールしました。

 「維新の会」幹部は、国会議員を「合流」させて政党をめざす場合も、このTPP参加を踏み絵にする考えを示しています。

 「自立する国家」を打ち出していますが、結局「自立」とはほど遠い内容だらけです。(つづく)

( 2012年08月19日)

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