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原発の源流と日米関係(3)

軍事優先の開発/原潜からはじまった


写真

福島第1原発 1 号機の原子炉建屋=5月24日(東京電力提供)

 東日本大震災当日の3月11日に炉心溶融(メルトダウン)し、翌12日に水素爆発をおこした福島第1原発1号機は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)社が建造したものでした。

2社が独占的

 日本で商業用原子炉の運転が本格化した1970年代前半に建設された原子炉はいずれも、米国のGEとウェスティング・ハウス(WH)が受注しています。(表)

 米国の原子力開発はもともと、原爆開発や原子力艦船の建造といった軍事目的で進められてきました。

 商業用原発の実用化が進んだ50年代、米国は54年に世界初の原潜ノーチラスを進水させ、核兵器は53年の1000発から、60年には2万2000発に増えました。

 GEとWHは、軍事開発から商業利用にいたるまで原子力開発をほぼ独占的に受注してきました。

 両社は米原子力委員会の下で艦船用の原子炉を開発し、アイゼンハワー大統領はWHの加圧水型原子炉(PWR)を採用。米海軍は現在にいたるまでこの型を使用しています。

 米国は当初、原子力発電には消極的でしたが、英国とソ連が原発の運転に成功すると路線を転換。急きょ、WH社の原潜用原子炉を陸揚げし、57年にシッピングポート原発の運転を開始しました。同原発の運転は米海軍が主導しました。

原発 主契約企業 運転開始
敦賀 1号機 GE 70・3・14
美浜 1号機 WH/三菱 70・11・28
福島第1 1号機 GE 71・3・26
福島第1 2号機 GE/東芝 74・7・18

 一方、GE社はWH社に対抗するため、沸騰水型原子炉(BWR)の開発を続け、59年10月にドレスデン原発で臨界を達成しました。それから数年後に、日本との契約にこぎつけたのです。

構造的な欠陥

 軍事的なニーズを発端として、ほとんど駆け足で開発された原子炉には、構造的な欠陥がありました。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版=3月15日付)によれば、福島第1原発など日本に9基ある「マーク1」型について、米原子力委員会は72年、原子炉の格納容器が小さいことを問題視。水素がたまって爆発した場合、格納容器が損傷しやすいとして「使用を停止すべきだ」と指摘していたのです。

 この警告どおり、福島第1で1号機の格納容器が損傷しました。

 さらに、福島第1原発で1〜4、6号機の開発に関わった東芝元技術者の小倉志郎氏は3月16日、外国特派員協会でこう指摘しました。「GE社の原子炉はそもそも津波を想定しない設定だった。2号機以降は日本で建設したが、1号機の設定が踏襲された」

 津波で非常用電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われる危険性は、日本共産党福島県委員会などが繰り返し、警告していたことでした。

 日本共産党の吉井英勝議員は5月27日の衆院経済産業委員会で、福島第1原発事故に伴うGE社の製造者責任を追及。外務省の武藤義哉審議官は「現在の日米原子力協定では旧協定の免責規定は継続されていない」と答弁し、協定上は責任を問うことができるとの見解を示しました。

 (つづく)

(「しんぶん赤旗」2011年6月9日)

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