
「しんぶん赤旗」は2月1日に創刊80周年を迎えました。創刊によせての各界の「発言」を紹介します。(五十音順)
おおたに・あきひろ 1945年東京生まれ。元読売新聞大阪社会部記者。2001年10月から4年間、「赤旗」日曜版でコラム「熱血ジャーナル」を連載。現在、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」などにコメンテーターとして出演。著書に『監視カメラは何を見ているのか』『日本警察の正体』など。

ぼくは日刊紙も日曜版もずっと取りつづけている。以前、日曜版でコラムを連載したから、読者と同時に筆者でもあった。だから、「赤旗」とは濃密な関係にあると思う。
「赤旗」を読むときは「何かスクープは出ていないか」「ぼくらに手が届かないことを掘り下げているんじゃないか」という意識でいる。
昨年、注目された偽装請負や事務所費問題は、「赤旗」のスクープだった。「赤旗」を読んでいない人は、ほかの新聞のスクープだと思っているだろうが、ぼくはもともと新聞記者だから「これは『赤旗』に抜かれたネタの後追いじゃないか」と見破っている。
もちろん一般紙の記者も努力はしているが、いくつかのバリアがある。たとえば偽装請負は、テレビでは特集できない。キヤノンなどのスポンサーを敵に回すことはできないからだ。
タブーを超えて報道するのが「赤旗」の強みだ。そして一般商業紙と伍(ご)してたたかう記者たちが、「赤旗」を支えている。そういう意味で、ぼくは、「赤旗事件記者集団」を高く評価している。
権力による言論・表現への介入の問題でも、「赤旗」に期待することがある。それは、もっとも言論弾圧に対して鋭敏なメディアとしての役割だ。
治安維持法下で休刊に追い込まれた「赤旗」は、権力による弾圧を一番よく知っている。だから、「赤旗」は言論の前衛にいてほしい。「赤旗」とはそういう期待を担うメディアだ。
聞き手 本田祐典
写 真 林 行博