2007年1月10日(水)「しんぶん赤旗」

政務調査費 不透明議会が多いのはなぜ?


 〈問い〉 東京・目黒区議会、公明党議員団の政務調査費不正使用にはあきれて声がでません。他の議会でも多くが領収書なしということですが、領収書添付が実現しないのはなぜですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 東京都目黒区など各地で相次ぐ政務調査費(政調費)の不正支出問題に住民の怒りが強まっています。発端は収支報告書に添付された領収書の検証を住民がしたことがきっかけでした。

 政務調査費の目的は「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」(地方自治法第100条第13項)とされ、自治体は条例で使途基準を定めています。その基準に照らして不適切な支出は当然、返還されるべきです。

 問題は、適切かどうかを検証しようとしても、政務調査費を何に使ったのか、領収書の添付を義務付けていない議会がまだ多くあることです。

 本紙の調査では、全国47都道府県、17政令市(今年4月から政令市に移行する新潟、浜松を含む)中、収支報告書への領収書添付を、「すべての支出」で義務付けているのは、都道府県議会では、岩手、宮城、長野、鳥取の4県で、「5万円以上の支出について」など条件付きが北海道、京都、滋賀、和歌山、山口、高知の6道府県、ほかの37都府県議会は領収書添付をいっさい求めていません。政令市議会では、静岡、浜松の2市が完全義務付け、札幌、さいたま、京都、大阪、広島、福岡の6市が一部義務付けていますが、半数以上が義務付けなしでした。

 この問題での日本共産党の態度は一貫しています。前回の「いっせい地方選にのぞむ各分野の政策」(03年2月)では「議員が議会調査費(政調費)を本来の目的以外に使うようなことをなくすために、議会各会派・議員がその使途を領収書つきで公開するようにさせます」と公約し、領収書添付実現のために力を尽くしてきました。

 長野県議会では、日本共産党の主張がみのり、02年12月議会で、使途・領収書の全面公開と減額を全会一致で決めました。京都府議会でも01年の政調費交付条例制定のときから、日本共産党が領収書の添付を含ませるよう主張し、5万円以上の支出について領収書添付義務付けを決めています。

 しかし、多くの議会でこれが実現しないのは、自民、民主、公明など「オール与党」のしつような妨害があるからです。

 たとえば、東京都議会で日本共産党は政調費の交付が条例化された01年3月以降、領収書添付で使途の透明化をすすめるようにくりかえし条例改正を提案してきましたが、自民、民主、公明の3党は最初の条例提案のさいはいっさい発言しないまま否決、06年3月都議会でも否決しました。徳島県議会、福島県議会、名古屋市議会などでも同様な妨害でいまだに実現していません。(竹)

 〔2007・1・10(水)〕


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