2006年12月29日(金)「しんぶん赤旗」

イスラエル

西岸地区に新入植地

平和団体 “和平行程表に違反”


 【カイロ=松本眞志】イスラエル国防省は二十六日、パレスチナ・ヨルダン川西岸地域の占領地で、元のイスラエル軍陣地に新たな入植地を建設することを承認しました。

 同省の報道官は「二〇〇五年にガザ地区から退去した入植者を再定住させるとのモファズ前国防相の公約を確認し、三十戸の住宅建設を認めた」と語りました。イスラエル側がヨルダン川西岸で公式に入植地建設を認めたのは、一九九二年以来初めてです。

 二十三日のパレスチナ・イスラエル首脳会談で、中東和平プロセスのための交渉再開を確認した直後のこの行為に対し、パレスチナのエレカット交渉責任者は「われわれは、イスラエルがあらゆる一方的な行動をストップすると誓約した後、このような行為と決定を行ったことを非難する」と語りました。

 イスラエルの平和団体ピース・ナウのオッペンハイマー事務局長も、「今回の措置は、ペレツ国防相がとった、まぎれもない不面目な行為だ」と告発。入植地拡大の決定が、〇三年のイスラエル・パレスチナ和平のためのロードマップ(行程表)に違反するものだと指摘しました。

 現在、ヨルダン川西岸には二百五十万人のパレスチナ人と二十六万人のユダヤ人入植者がいます。国際司法裁判所は、一九六七年の第三次中東戦争で占領したパレスチナの土地での入植地建設は違法だとの立場をとっています。


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