2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」
佐田行革相が辞任
「不適切な会計処理」認める
佐田玄一郎行革担当相は二十七日、政治団体が架空の事務所経費を支出した疑惑について「不適切な会計処理があった。国政の渋滞を招くことがあってはならないと判断した」として辞任しました。同日、安倍首相に電話で辞意を伝え、了承されたとしています。安倍内閣初の閣僚辞任で、首相の任命人事としては本間正明政府税調会長に続く二人目の辞任です。首相の任命責任は重大です。
問題となった政治団体は「佐田玄一郎政治研究会」(東京都豊島区、今年十月に解散)。一九九〇年から二〇〇〇年まで、架空の事務所経費約七千八百万円を支出していたとする虚偽の政治資金収支報告書を提出したという疑惑が指摘されました。
同日の記者会見で佐田行革相は、架空の事務所経費を計上して裏金をねん出したのではないかとの疑惑に対し「政治資金収支報告書に記載された事務所費や政治活動費は実際に支出されたもので、架空のものは一切なかった」と否定。しかし、選挙区である群馬県の後援団体などの経費を都内の政治団体の経費として計上し、付け替えていたと説明し、都内の政治団体に活動実態がない事実を自ら認めた形となりました。
また支出の詳細は明らかにせず説明責任を果たしませんでした。議員辞職については「考えていない」と否定しました。
安倍首相は同日、「任命者として責任を感じている」とのべました。
国会で真相明らかに
市田書記局長会見
日本共産党の市田忠義書記局長は二十七日、国会内で記者会見し、佐田玄一郎行革担当相が自らの政治団体の政治資金収支報告書で虚偽記載した問題で辞任表明したことについて「辞任は当然だが、辞めてすむ問題ではない。七千八百万円が何に使われたのかを含めて国会の場で真相が明らかにされる必要がある」と語りました。
そのうえで市田氏は「なによりもこういう人物を大臣に任命した安倍晋三首相の任命責任がきわめて重大だ」と指摘し、「佐田氏は、自民党総裁選で『安倍晋三さんを支える会』の会長だった。佐田さんの入閣は、その論功行賞人事といわれた」と安倍首相の責任を厳しく問いました。