2006年12月25日(月)「しんぶん赤旗」
和平プロセス再開確認
イスラエル・パレスチナ首脳会談
【カイロ=松本眞志】パレスチナ自治政府のアッバス議長は二十三日、エルサレムを訪問し、イスラエルのオルメルト首相と会談しました。両者の公式の直接会談は初めて。六年間中断しているパレスチナ和平プロセスの再開への動きに注目が集まりました。
会談の内容についてイスラエル側は声明で、「両指導者は真のパートナーとして和平プロセスを進展させるために協力しあう意思を表明した」と述べ、中東和平のためのロードマップ(行程表)に従って、「平和と安全のもとでの二国家共存の実現」を双方が支持することを再度表明したと報告しました。
会談でオルメルト首相は、ヨルダン川西岸の占領地にあるいくつかの道路の封鎖の解除を含め、パレスチナ人の困難な状態の緩和のために「緊急かつ具体的な措置をとる」と発言しました。
パレスチナ側交渉責任者のエレカット氏は会談後にヨルダン川西岸のラマラで記者会見。三月のイスラム武装抵抗組織ハマス政府発足以来イスラエルが代行徴収したもののパレスチナ側への引き渡しを凍結してきた税金五億ドルのうち一億ドル(約百十八億円)の引き渡しと、収監されているパレスチナ人釈放のための共同委員会の復活で合意したと説明しました。
一方、ハマス政権のハジ・ハマド報道官は会談について、「パレスチナを占領下に置こうとするイスラエルの立場になんら変化はみられなかった」と語りました。