2006年12月25日(月)「しんぶん赤旗」

大企業に応分の負担を


 減価償却制度の「見直し」と証券優遇税制の継続で、一兆円規模の大企業・大資産家減税を盛り込んだ二〇〇七年度税制「改正」。一方、〇七年度予算政府案で、政府・与党が「財政健全化」を口実に抑制をたくらむのは、社会保障や生活密着型公共事業など、庶民の暮らしに直接かかわる予算です。「リストラ効果」と「外需頼み」で空前の利益をあげる大企業やマネーゲームで巨額のもうけをあげる大企業・大資産家に応分の負担を求めれば、社会保障の充実へも、財政健全化へも道を開くことができます。

ゆきすぎた優遇策

 〇七年度の法人税収見込み額(国税のみ)は、十六兆三千五百九十億円。大企業が、空前の利益をあげるもとで、法人税収は〇三年度から連続で増加し続けています。

 しかし、税収低迷から回復したとはいえ、ピーク時だった一九八九年度と比べると、依然、86%にとどまっています。

 大企業がバブル期を超える利益をあげているのに、バブル期並みに法人税収が回復しない原因は、相次いで引き下げられてきた法人税率にあります。最高時には43・3%(八四年度―八六年度)だった法人税の基本税率は、現在30%まで引き下げられました。

 「今は(国の法人税収が)十三・三兆(円)というのもこれは30%で十三・三兆(円)ですから、これを40%にしますと十八兆(円)を多分超えると思うんですね」。谷垣禎一財務相(当時)も八月二十五日の記者会見でこう語りました。〇七年度の国の法人税収見込み額をもとに単純計算しても、税率を40%に戻すだけで、新たに五兆円もの財源が確保できることになります。日本の企業の公的負担はフランスやドイツと比べても、決して高くありません。

 さらに、富裕層に恩恵が偏る証券優遇税制の延長をやめて、税率を本則の20%に戻すだけでも三千億円規模の税収増が期待できます。株式譲渡益や配当は年々増加しています。これらにかかる税金を総合課税化し、もうけに応じた負担を求めれば、いっそうの税収増を図ることができます。

ムダをあらためる

 〇七年度予算政府案は、財界の要請にこたえて、三大都市圏環状道路(千八百五十九億円)や物流機能強化等重点戦略(九百億円)を盛り込みました。軍事費の予算規模は依然、五兆円に迫る規模です。

 大企業・大資産家に応分の負担を求めるとともに、予算のムダを改めることで、増税に頼ることなく、社会保障など暮らしのための予算を充実させることができます。

 大企業を優遇し、庶民の暮らしをないがしろにする「逆立ち」税・財政を改めることで、財政健全化も着実にすすめることができます。


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