2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」

不当解雇 金で解決

労働契約法厚労省素案 労働条件改悪も自由


 厚生労働省は二十一日の労働政策審議会労働条件分科会に、新しく定める「労働契約法」の素案を提案しました。

 賃下げなど労働条件を変更する場合、労働者個人が同意しなくても、会社がつくる「就業規則」で自由にできるようにすることを明記。裁判で解雇無効となっても、解決金さえ払えば職場復帰させなくてもすむ「解雇の金銭解決制度」の導入を提案しました。解決金の水準など具体案は提示しませんでした。

 労働者を何時間働かせても残業代を払わずにすむ「自律的労働時間制度」とあわせて、三つの改悪を提案したことになります。いずれも財界が求めてきたもので、労働基準法はじめ労働法制を根本から覆す内容です。

 就業規則は現行法でも労働者の同意なしに作成・変更できるため、労働者が規制を求めていましたが、素案は「変更の必要性」や「労使の協議状況」などから「合理的」と判断できれば変更を認めます。反対しても、企業に都合のいい契約を押し付けられる仕組みです。

 金銭解決制度は、二〇〇三年の労基法改悪の際にも検討されましたが、労働者の反対で断念に追い込まれたもの。企業は裁判など気にせず解雇ができることになります。

 この日の分科会では、労働者委員が「就業規則は使用者が一方的に作成・変更できる。労働者との合意を基本とする契約法に盛り込むべきでない」「金銭解決は職場復帰の権利を奪うもので外すべきだ」と批判しました。


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