2006年10月24日(火)「しんぶん赤旗」

主張

沖縄知事選

新基地許さぬ県民の審判を


 日米両政府が「米軍再編」を推進し、沖縄・名護市での新基地建設をゴリ押しするなか、沖縄県知事選の告示が間近に迫りました。(十一月二日告示、十九日投票)

 選挙戦は、日本共産党、沖縄社会大衆党、社民党、民主党、自由連合の野党統一候補として立候補する現参院議員の糸数けいこ氏(59)と、自民・公明両党が推す前沖縄県商工会議所連合会長の仲井真弘多氏(67)の一騎打ちです。

 新基地反対の県民の切実な願いを生かし、基地のない平和で豊かな沖縄への道を切り開く、沖縄と日本にとっての重大な選挙です。

基地撤去は県民の悲願

 沖縄県は、面積では日本の国土全体の0・6%しかないのに、在日米軍基地の面積では75%が集中する、異常な“基地の島”です。戦後も長くアメリカの占領下に置かれ、施政権が返還されてからも米軍基地に土地を奪われて、県民の暮らしが脅かされてきました。米軍基地を撤去し、平和な暮らしを取り戻したいというのは長年にわたる県民の悲願です。

 政府はアメリカと約束した在日米軍の「再編」を、県民の負担を「軽減」するものだと宣伝しますが、再編によっても米軍基地による痛みはなくなりません。それどころか、市街地に隣接し事故が相次いでいる普天間基地の代わりに名護市に建設しようとしている新基地は、V字形の二本の滑走路を持つ最新鋭基地で県民にさらに重い負担を押し付けます。

 政府は、沖縄県、名護市などと協議会を立ち上げたのを契機に、地元の同意のないまま、新基地建設の事前調査などを急速に進めています。米軍は嘉手納基地への最新鋭の地対空ミサイル・パトリオットの配備など基地の機能強化を重ねており、県民の不安をいっそう高めています。

 地元紙の世論調査でも、新基地建設反対は七割を超します。糸数候補は、「新基地建設に反対」し、「普天間基地の即時閉鎖・返還」、「米軍基地の整理縮小・撤去」を求めることをはっきりと約束しています。知事選にあたっての野党五党の合意と、糸数候補の基本政策は、県民の願いをまっすぐ受け止め、「命(ぬち)どぅ宝」の心に応えたものです。

 一方、自・公の与党が推す仲井真候補は、政府の「V字形」案には賛成できないというだけで、新基地建設自体には「政府と協議、確実な解決をはか」ると、受け入れを前提とした態度です。米軍基地そのものについても、「整理・縮小」をいうだけで、「撤去」は口にしません。

 新基地建設に反対し、米軍基地を沖縄から撤去することは、沖縄と、沖縄県民の未来が懸かった大問題です。それだけに自・公など新基地建設推進勢力もなりふりかまわず必死です。知事選挙は文字通り、新基地建設に反対する県民勢力と自・公との総力を挙げたたたかいです。

全国的な意義を持つ

 沖縄県民はこれまで長年にわたって米軍基地と“島ぐるみ”でたたかい、基地撤去の願いを掲げる革新・民主の首長をたびたび当選させてきました。「米軍再編」と新基地建設が重大段階を迎える中での知事選挙は、その正念場のたたかいです。

 日米両政府が進める「米軍再編」は、沖縄だけでなく、全国各地でもきびしい批判にさらされています。知事選挙は、日本国民全体にとっても、重要な意義を持ちます。

 知事選挙で新基地ノーの審判を下すために全力をつくしましょう。全国からも沖縄のたたかいに心を寄せ支援を強めようではありませんか。


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