2006年9月22日(金)「しんぶん赤旗」

子の未来照らす判決

「君が代」強制反対訴訟

「画期的」喜びの声


 「国歌斉唱義務なし」―。画期的な勝訴判決を知らせるのぼりを弁護団が掲げると、東京地裁前は「やったぞー」という声とともに大きな拍手がわきおこりました。二十一日、勝訴判決を待ち望んでいたのは「日の丸・君が代」の強制に反対する「予防訴訟」の原告や支援者ら二百人余。肩を抱き合ったり泣いて喜び合う姿があちこちで見られました。(本吉真希)


 判決後に開かれた記者会見は海外のマスコミも参加。原告や保護者、支援者らも会場を埋めました。弁護団の判決内容の説明に喜びの拍手が何度も起き、原告へ温かい拍手が送られました。

 「法廷で周りを見るとみんな涙で目を赤くしていた」と法廷内の様子を語った原告の教師は「判決はどういう状態の教育が正しい教育なのかを示してくれた。現場でいいたいこともいえず本当にひどい目にあってきたが一人ひとりががんばり、ようやく認められた。この判決は運動の結果ではなく出発点です」と新たな決意をのべました。

 障害児学校の教師は「日の丸・君が代」を強制した都教委の「10・23通達」前までは車いすの子どもは壇上に上がらず床で卒業証書を手渡していたのに、「壇上に上がれ」と一方的な指導をしてきたと悔しい思いを語りました。「今回、都教委のやり方がいかに非人間的であるか司法判断で示された。子どもたちといっしょに喜びたい」と歓喜の涙を浮かべました。

 「一点の曇りもないすばらしい判決。親として本当にうれしい」と感慨深げに語った女性=世田谷区=は「国歌斉唱の際に起立、斉唱、ピアノ伴奏の義務なし」とした判決を聞き、「先生に義務がないのだから子どもにはましてない」と確信しました。

 保護者の立場から法廷で証言した女性=杉並区=は「通達」の前後、それぞれの卒業式を二人の子どもで経験。「通達前の卒業式はすばらしいものだったけど通達後はそのすばらしさがいかに壊されたか、あまりにも歴然としていた。都教委は子どもを大事にする視点に立ち返ってほしい」と話しました。


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