2006年9月19日(火)「しんぶん赤旗」

スウェーデン総選挙

中道右派が勝利

12年ぶり政権交代


 【パリ=浅田信幸】スウェーデンで十七日、総選挙(一院制議会・定数三四九)の投開票が行われ、穏健党を中心とする中道右派の野党四党連合が、社会民主労働党を中心とする現与党の左翼三党連合を小差で抑えました。政権交代は十二年ぶりとなります。

 開票率99・7%時点での得票率は野党連合が48・1%、与党連合は46・2%。議席配分は中道右派が百七十八、現与党の左翼三党が百七十一となる見通しです。

 社会民主労働党のペーション首相(57)は十七日深夜、「選挙は敗北だった」と認めるとともに、「保守の交代を受け入れない。われわれは戻ってくる。このカムバックは私を抜きに実現される」と発言。政界からの引退と党首交代の意図を明らかにしました。

 一方、勝利した中道右派連合は一九九一年にも政権を誕生させましたが、福祉削減などによる財政再建に失敗し、わずか三年で崩壊。四党は改めて政権担当能力が問われます。

 二〇〇二年総選挙での惨敗後、穏健党党首に就いたラインフェルト氏(41)は、党の路線を、従来のむき出しの新自由主義路線から福祉国家の継承と雇用創出に重点を置く方向に転換。選挙戦では「労働するスウェーデン」を訴え、長期政権に飽きた国民層に政権交代の必要性を説きました。

 九六年から続くペーション政権は6%の失業率を4%に下げる公約の実現を果たせず、十年におよぶ長期政権で「専横、専断」との野党の非難に国民の一部が共感を示したことも敗因の一つとみられています。


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