2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」

村山談話 踏襲明言せず

安倍氏 歴史認識あいまいに


 自民党総裁選(八日告示、二十日投票)で次期総裁に有力視されている安倍晋三官房長官が、歴史認識問題であいまいな発言を続けています。

 七日の記者会見では、歴史認識についてあらためて問われ、日本の「植民地支配と侵略」に「おわびと反省」を明確にした村山富市首相の戦後五十年談話(一九九五年)について「歴史的な談話である」としつつ、「新政権ができて、どういう(歴史)認識を持っていますかと問われれば、そのときの総理が自分の考えを述べることになる」と発言。次期政権で村山談話に代わる認識を示すとの考えを示唆しました。

 一方で安倍氏は「日本政府として海外に対しての継続性のなかで次の政権もできている」とものべ、次期政権の認識では継続性も重視するととれる発言もしています。

 また、安倍氏は「歴史的な評価については、歴史家にまかせるべきだというのが私の考えだ」という持論も展開。自らの考えについては、「先の大戦によって国民の多くが塗炭の苦しみの中にあった。そしてまた、多くの国々の国民に対して多くの大きな被害を与え、傷跡を残した」とのべました。「植民地支配と侵略」という、村山談話の中核となる認識を欠落させた形です。

 村山談話は、戦後五十年にあたって「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たとの認識に立ち、「この歴史の事実を謙虚に受け止め…痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明」しました。この談話は、その後の内閣にも引き継がれ、小泉純一郎首相も昨年四月のアジア・アフリカ首脳会議でも同様の発言を行いました。

 村山談話に対する安倍氏の態度が問われるのは、談話に批判的立場をとってきたためです。政権を狙う以上、避けて通れない根本問題です。

 しかし、安倍氏は、六日に行われた新聞・通信七社共同インタビューや記者会見でも、七日の会見でも、村山談話を次期政権として踏襲するかどうかについては明言を避けました。


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