2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」

主張

政治資金

政党のあり方を映す鏡として


 二〇〇五年分の政治資金収支報告書(総務省分)が公表されました。

 党費、「しんぶん赤旗」購読料、個人の募金などで国民にのみ依拠して財政活動をする日本共産党と、政治を堕落させる二つの腐食源=政党助成金と企業・団体献金にどっぷりつかった他党との違いが鮮明です。

軸足をどこに置くか

 各党の収入の内訳で、日本共産党以外の七党で分け取りした政党助成金の比率が、自民党本部の総収入の60%、民主党本部の同84%、社民党の同50%と異常な高水準にあることがまず目をひきます。

 政党助成金は、政党支持の別に関係なく、その時点での国会の議席数に応じて、国民一人当たり二百五十円、総額三百十七億円以上の税金を分配する仕組みです。主権者・国民がみずからの意思でおこなう個人献金とは、天と地ほどの差があります。

 「企業献金廃止」の公約とセットで政党助成法が通された一九九四年、当時の細川政権で政治「改革」の旗を振った小沢一郎氏(現民主党代表)や自民党は「日本には個人献金の風土がない」という口実を使いました。たしかに、有権者に個人の寄付をお願いするというのは、政党にとってなかなかにたいへんなことです。

 しかし、国民との対話を深め、生活の実態や要求を知り、国民の求める政治に道を開くことこそ政党の命です。そうした活動をつうじて国民の信頼を得、募金もお願いして、財政的な基盤を強めることこそまともな政党のありかたでしょう。

 政党本部で〇五年一年間に集めた個人献金が収入全体に占める割合をみると、自民党は1・3%、民主党にいたっては0%でわずか二万七千円です。税金にたのみきりで、広く国民と結びつき、財政を確立する努力を放棄した、「根無し草」政党といわれてもしかたありません。

 広い国民に根をはっていないだけに、これらの政党にとって、もうひとつの資金源である財界の企業・団体献金は、その政治行動を大きく左右する圧力になっています。

 日本経団連が企業献金あっせんを再開した〇四年からの二年間で、献金企業数も、献金額も拡大しました。日本経団連の改憲要求や、法人税引き下げ・消費税増税などの優先政策事項にもとづき、自民、民主の政策に「通信簿」をつけて、献金額を決めるという政党「まるごと買収」の仕掛けが強まっています。

 自民党への献金は前年比三千九百万円増、民主党は同四千二百万円増で、両党とも財界の要求にこたえ、献金をねだる競争をしています。

 国民の多数は九条改憲に反対なのに「海外で戦争する国」にする改憲をねらう勢力が国会議席の九割を占める。税制「改正」といえば大企業の「競争力」を口実に法人税引き下げ・消費税率引き上げの庶民大増税の話しかでてこない。異常な政治の根源にこれらの政党の「金あさり」と財界による「金縛り」があります。

国民とともに歩む党

 日本共産党は、金で政治をゆがめる企業・団体献金、憲法違反の政党助成金を断固として拒否してきた政党です。常に国民に目を向け、国民との草の根の結びつきのなかで財政を確立する、政党としての大道を歩まなければ、新しい政治は担えないからです。

 小泉内閣の極端な米国・財界いいなり政治に、国民的な批判が広がっています。政治の流れの大きな変化のなかで、国民の願いにこたえる政治の実現へ、日本共産党の真価が発揮されるときです。


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