2006年9月6日(水)「しんぶん赤旗」

「人柄はいいが、共産党だから」という人がいますが?


 〈問い〉 よく「あの人は人柄はいいが、共産党だから」といういい方に出合います。どう考えますか?(兵庫・一読者)

 〈答え〉 やさしい子どもの絵で知られる画家いわさきちひろは、あるときカトリックのシスターに「あなたは共産党員なのにどうしてこんな美しい絵が描けるのですか」と問われ、「共産党員だからこそ描けるのです」と答えました(松本善明『思い出のちひろ 二人で歩んだ日々』)。

 ちひろの絵からは、子どもたちへの深い愛と、平和や民主主義への強い思いが伝わってきますが、それは、本人が語ったとおり、「日本共産党員だから」だったといえます。

 「青い山脈」「ひめゆりの塔」「橋のない川」など数々の名作を生みだした映画監督、今井正も日本共産党員でした。叙情的でヒューマニズムあふれる作品を撮り続けた監督は、葬式の時は「棺(ひつぎ)を赤旗で包んでくれ」と妻に語っていました。

 ちひろや今井監督に限らず、日本共産党員の生き方は、社会と人間をまっすぐに見つめ、人びとの幸福の実現にみずからの生き方を重ねることが原点となっています。

 では、「個々の党員はいい人だが、共産党となるとなんとなくこわい」と抵抗を感じるのはどうしてでしょうか。それは、戦前戦後の長期にわたる反動勢力・支配層による意識的な反共宣伝と、マスメディアが日本共産党の真実の姿を伝えようとしないところからくる誤解からきています。反共宣伝のねらいは、反戦平和、民主主義、国民生活向上のたたかいの先頭にたつ日本共産党を国民と切り離すことがねらいです。

 日本共産党は、自発的な意思で結ばれた集まりであり、「個人と組織」の関係については「社会進歩という共通の正しい目標をもった組織でこそ、人間性の豊かな発展、人間関係の正しい発展が可能となる」(第20回党大会決議)と考えています。理性と人間性を大切にし、党員一人ひとりが「政治的・理論的な成熟をめざすだけでなく、人間的水準と品性においても、新しい人間集団としての成熟をめざして、つねに努力」(同前)しています。

 ソ連の崩壊は「社会主義の道から離れ去った覇権主義と官僚主義・専制主義の破産」(日本共産党綱領)でした。「指導部が誤った道を進んだ結果、社会の実態としては、社会主義とは無縁な人間抑圧型の社会として、その解体を迎えた」(同前)のです。日本共産党はソ連の干渉と30年間もたたかってきた党であり、ソ連共産党の解体に「歴史的巨悪の党の終焉(しゅうえん)を歓迎する」という声明をだした党です。ソ連と日本共産党では組織のあり方もまったく違っているのです。(喜)

 〔2006・9・6(水)〕


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