2006年9月6日(水)「しんぶん赤旗」

年金収納・求人開拓など9事業

市場化テスト対象に

閣議決定


 政府は五日、公共サービスの担い手を官民の競争入札で決める「市場化テスト」の実施方針を盛り込んだ「公共サービス改革基本方針」を閣議決定しました。

 今年五月に成立した「市場化テスト法」にもとづくもの。同法は、国や地方自治体が責任をもってきた公的サービスを民間企業の「もうけの場」に変える狙いがあります。基本方針は同法を具体化したもので、国民年金保険料の収納事業(社会保険庁)やハローワークの「求人開拓」(雇用情勢の厳しい地域の求人)事業など九事業を「市場化テスト」の対象に指定しました。

 早いものでは今年十一月までに入札手続きを開始し、来年四月から事業を委託します。契約期間は各事業で異なりますが、年金保険料収納事業などでは三年。「求人開拓」事業では一年としています。

 対象事業は、このほか四十歳以上の管理職などに特化した職業紹介をおこなう「人材銀行」事業、地方法務局の登記事項証明書の交付事務、総務省の統計調査関連事業などです。九事業のうち六事業は、官は参加を見送り、民間のみの入札になり、「官民の競争」がうたい文句にすぎないことが明らかになりました。

 基本方針では、公共サービスの「要否」などを不断に見直す、として「官の責任と負担の下に引き続き実施する必要がないと判断された場合には、当該公共サービスを廃止する」と明記。また、民間に委ねることができると判断された業務は、「規制改革等必要な措置を講じる」と民間参入拡大に向けた規制撤廃をうたっています。

 政府は年内に対象事業を拡大する予定です。民間業者などから▽航空管制の運営▽市区町村の窓口業務▽パスポートの発給業務など百九十三件の要求が寄せられているとして、国民の安全やプライバシーにかかわる公共サービス分野への民間参入のいっそうの拡大をすすめようとしています。


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