2006年9月1日(金)「しんぶん赤旗」

自民総裁選

谷垣氏も改憲主張

3候補とも重要課題に


 谷垣禎一財務相は八月三十日、自民党総裁選に向けた政権構想を発表しました。七月下旬の出馬表明の際に示した外交、地方活性化、財政問題の三本柱に加え、集団的自衛権の行使を認めるため新たに改憲論を盛り込んだのが特徴です。これにより、安倍晋三官房長官、麻生太郎外相とあわせ、総裁選の主要候補すべてが改憲を次期政権の重要課題にすえたことになります。

 谷垣氏は「『活力と信頼の国家』を創る」と題した政権構想で、「憲法改正については、自民党の案が示されるなど議論が進んでおり、これを更に進めるため、国民的な議論が必要」と改憲議論の促進を強調。「現実的なステップとして合意が得られるところから改正を行う」としています。そのうえで海外での武力行使を可能にする集団的自衛権について「日本にとって極めて重要な判断を要することから、便宜的な解釈によって対応すべきではなく、正面から憲法改正により解決すべきだ」と九条改憲を主張しています。

 また「憲法に規定されている統治機構の在り方そのものを見直す時期に来ている」として、行政権の意思決定のスピードアップを図って「構造改革」路線をすすめるため、首相のリーダーシップ強化、それをチェックする国会の機能充実、実効性のある司法権を求めています。

 改憲をめぐっては、総裁選最有力候補とされる安倍氏が「(集団的自衛権の)権利はあるが行使できない、とする論理が、はたしていつまで通用するだろうか」(著書『美しい国へ』)としたうえで、「新しい憲法を私たち自身の手で立ち上げねばならない」(八月二十二日、自民党の南北関東ブロック合同大会)などと表明しています。

 また麻生氏も、改憲について「自民党結党以来の党是であり、必ず改正すべきだ」(八月二十七日のNHK番組)と述べるとともに、集団的自衛権に関しては、明文改憲以前にも解釈によって行使できるようにすべきだと主張しています。


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