2006年8月30日(水)「しんぶん赤旗」

Ｖ字滑走路案を推進

赤嶺議員質問 施設庁長官が明言

衆院特別委

　防衛施設庁の北原巌男長官は二十九日の衆院沖縄・北方特別委員会で、米海兵隊普天間基地に代わる新基地建設問題に関する政府と地元自治体との協議会について、キャンプ・シュワブ沿岸部にＶ字形の二本の滑走路を持った基地（Ｖ字案）の建設を推進するという立場で臨むことを明らかにしました。一方で、沖縄県が主張する「暫定ヘリポート」案については「（協議会で）拝聴する」と述べるにとどまり、受け入れを拒否しました。

　日本共産党の赤嶺政賢議員の質問に答えたもの。北原長官は、政府と沖縄県との確認書でも「政府案（Ｖ字案）を基本」とするとしていることなどを指摘し、「政府としてはあくまでもＶ字案でいく」と明言しました。

　協議会の議題として普天間基地の「危険性の除去」が挙げられていることに関し赤嶺氏は、同基地所属の海兵隊ヘリコプターが二〇〇四年八月に沖縄国際大学に墜落した事故を受け、日米両政府が進めている飛行経路の見直し作業は結論が出たのかと追及しました。北原長官が「まだ結論は出ていない」と答えたのに対し、赤嶺氏は「（事故から）二年たって対策がとられないというのは、やる気がない、何もできないということだ」と批判しました。

　赤嶺氏は「北部振興策」について「採算性を度外視した箱ものづくりに莫大（ばくだい）な補助金が出て、つくった自治体は管理運営費に困っている。『振興策』が自然環境など北部（地域）の良さを生かした振興の土台をつくるのではなく、基地をつくるための道具になっている」と指摘。今回の協議会も新基地の建設計画の策定が目的であり、「振興策」もそれとリンクするものだと批判しました。