2006年8月18日(金)「しんぶん赤旗」

平和のための戦争展 元兵士が訴え

すがりつく少年“切り捨てた”

過ち繰り返さないで


 今年で二十七回目を数える「平和のための戦争展2006」が都内で始まり、初日の十七日は特別企画の座談会「命ある限り訴えます」が開かれました。中国での戦争体験を持つ元日本兵三人が自らの体験で得た反戦平和の思いを語りました。


 「日本はいま国際貢献に名を借りた、昔とは違った形の軍国主義に向かっている」と指摘した小山一郎さん(86)は「戦後の歴史のなかで重大な危機感を抱いている」といいます。「若い世代の人たちは私たちと同じ過ちを犯してはいけないという責任がある」と語りました。

 絵鳩毅さん(93)は初年兵の人体刺突訓練で中国人捕虜を連れてきたときのことを話しました。

 十五―十六歳の少年が「私には母一人しかいない。母が待っている。家に帰してくれ」と絵鳩さんの足にすがり付いてきたとき、「『私にも母一人、私の帰りを待っている』と良心を揺さぶられた。しかし上官の命令は朕(ちん=天皇)の命令と少年の願いを切り捨てた」と告白。「犯した戦争犯罪の償いと同時に二度と再びわれわれの二の舞を踏んでもらいたくない」と自身の加害体験を語り続けています。

 「実戦体験はないが侵略軍の一員として不条理な戦争に参加したことを肝に銘じている」と話す高橋哲郎さん(85)は「あやふやな戦争観が現在のあやふやな日本にしている」と首相の靖国神社参拝について批判。若い参加者に「国の政治的スローガンに惑わされることなく自立した精神で、平和な方向へ一歩でも進めるようがんばってほしい」と語りかけました。

 初めて元加害兵士の話を聞いたという学生(22)=東京都=は「あの戦争で何があったのか、とりあえず知ることから始めるべきだと思った。たくさんの同じ世代の人たちに聞いてもらえるよう自分からも機会をつくっていきたい」と話しました。

 開催は十九日まで。被爆証言や「慰安婦」問題、東京大空襲と学童疎開、教育の現状など戦争の真実から平和を考える企画が催されています。

 特別展示は、日本政府を相手に提訴し最高裁で棄却された台湾の元日本軍「慰安婦」被害者の現在です。自分自身を取り戻し歩み続けている姿を写真で展示しています。

 時間は午前十一時―午後七時。最終日は午後五時まで。入場無料。場所は東京・渋谷区の全労済会館B1「スペース・ゼロギャラリー展示室」。JR新宿駅南口徒歩五分。


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