2006年8月12日(土)「しんぶん赤旗」
「イスラム・ファシスト」と発言
ブッシュ大統領に非難の声
【ワシントン=鎌塚由美】米国に向かう英国発航空機でテロが計画されていた事件に関してブッシュ米大統領は十日、同事件は「米国がイスラム・ファシストとの戦争のさなかにあることを思い起こさせた」と語りました。この発言に対し、在米のイスラム系団体から批判の声が上がっています。
「イスラム・ファシスト」との表現は、七日のテキサス州クロフォードの記者会見での発言に続くもの。レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどを指し、「テロリストはイスラム・ファシズムのメッセージを広めようとしている」と語っていました。
米国イスラム関係協議会は、テロ未遂事件を糾弾すると同時に、大統領発言に懸念を表明。記者会見したアワド事務局長は、「これは無分別な言葉であり、イスラム教やイスラム教徒をテロリストと結びつける非生産的な言葉だと考える」と指摘しました。
同氏はまた、「イスラム教やイスラム教徒との宗教戦争を起こさないために、これらの事件を生かさなくてはならない」と強調。ブッシュ氏らに「自制を求める」と述べました。