2006年8月1日(火)「しんぶん赤旗」

イスラエルのレバノン空爆

暴力停止を要求

安保理議長声明 即時停戦に米反対


 【ワシントン=山崎伸治】国連安全保障理事会は七月三十日夜、イスラエル軍によるレバノン南部カナ村の避難所の空爆で多くの女性や子どもが死亡したことに対する議長声明を全会一致で採択しました。声明は「暴力の停止」を求め、空爆を「極めて遺憾」と批判。その一方、アナン国連事務総長が提案した「即時停戦」の要求は、米国の反対で盛り込まれませんでした。イスラエル軍のレバノン空爆で安保理が議長声明を出したのは、国連要員が空爆で死亡したことに対する二十七日の声明に続き二度目です。

 声明は、空爆に「強い衝撃と悲嘆」を表明し、「今回の悲劇的事件の状況について一週間以内に報告するよう事務総長に求める」としています。

 また人道支援が行き渡るようすべての当事者に呼び掛け、国連職員とその滞在地の安全を全面的に尊重するよう要求。「この危機の永続的な解決に向けた決議を採択するよう努力する決意」を再確認しています。

 ロシアのチュルキン国連大使は「安保理は初めて暴力の停止を求めた。非常に強い声明だ」と歓迎。レバノンのマハムード特使は「もっと強い行動、強い文言を期待していたが、議長声明にはさらなる行動が約束されている」と述べました。

 米国のボルトン国連大使は記者団に対し、即時停戦に反対する立場を改めて強調。安保理議長のフランスのドラサブリエール国連大使は「妥協した文書だ。安保理内には不一致があるからだ」と指摘しました。

 安保理には二十九日、フランスが即時停戦と国際部隊派遣を盛り込んだ決議案を提出。各国は米国が即時停戦を受け入れるよう求めています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp