2006年7月31日(月)「しんぶん赤旗」
重油流出 地中海を汚染
レバノン発電所爆撃 戦闘で除去できず
【パリ=浅田信幸】仏マスコミの報道によると、戦闘が続くレバノンの沖に約一万五千トンと推定される重油が流出し、環境破壊が生じています。レバノン南部の火力発電所への爆撃で石油貯蔵タンクが破壊され、その一部が流出したもの。戦闘が除去作業の開始を妨げており、大陸に囲まれた地中海の特殊性から問題がいっそう深刻化する恐れも出ています。
AFP通信やルモンド紙の報道によると、イスラエル軍は七月十四、十五日にベイルート南部の発電所を二度にわたって爆撃。六つある石油貯蔵タンクのうち五つが破壊され、一部の重油は燃えましたが、一部が流れ出ました。現在、流出は止まっているものの、残る一つのタンクも燃え上がっており、爆発と重油流出の危険があるといいます。
重油による汚染は、報道機関によって差がありますが、レバノンの海岸線二百二十キロのうち七十キロから百三十キロにわたっており、重油の塊がシリア沖に達したとの情報もあります。
レバノンのサラフ環境相は「内海で重油流出が発生したのは初めて。レバノンだけでなく東地中海すべての国に深刻な影響をおよぼす恐れがある」と警告を発しました。
要請を受けてクウェートは、重油を凝固させる化学剤などをすでに発送。欧州連合(EU)も支援策を検討中です。しかしルモンド紙によると、フランスの海洋事故汚染に関するセンターでは「戦闘終結を待つ必要がある。この情勢では人を送れない」と悲観的な観測をしています。

