2006年7月24日(月)「しんぶん赤旗」

学生無年金障害者

国の放置問いたい

原告ら 裁判勝利めざし集い


 学生無年金障害者訴訟の原告、弁護団、支援者らが二十三日、裁判の勝利をめざしつどいを開きました。三百二十人が参加。現在、高裁、最高裁でたたかわれているすべての裁判で勝訴を勝ち取るため、「最高裁での公正な判決を求める」十万人賛同署名に取り組んでいくことを確認しました。

 同裁判は、二十歳を過ぎた学生や主婦の国民年金加入が任意だった一九六一年から八五年の時期に、未加入のまま事故などで障害を負い障害基礎年金の支給を受けられない障害者らが、国に不支給決定の取り消しや損害賠償を求めているものです。二〇〇一年七月、札幌、東京、大阪など全国八地裁に二十六人の原告が提訴。東京、新潟、広島の裁判は最高裁に上告されています。

 大阪高裁でたたかっている原告の猿木唯資さんは「無年金の状態から一刻も早く解放されることを望みます。国はなぜ学生無年金障害者を放置するのか裁判で問いたい」と語りました。

 猿木さんは一九七八年四月、大学四年生のときにアメリカンフットボールの試合中に事故で頸髄(けいずい)を損傷しました。車いす生活になり、現在いつ二次障害が襲ってもおかしくない状況といいます。「障害者にとって年金は単なる経済的な保障というだけでなく、障害者個人の尊厳と社会参加になくてはならないもの」と力をこめました。

 「原告の会」全国学生無年金障害者訴訟の阿部正剛代表は「誰もが年金を受給できる真の国民皆年金とし、すべての障害者が自立と経済基盤を確立できるようにするため、今後も粘り強く活動を続けていく」と表明。無年金障害者の窮状に目をそむけることなく、公平・公正な判断のため、最高裁大法廷での弁論の実現をと支援を訴えました。


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