2006年7月22日(土)「しんぶん赤旗」

米、BSE検査 大幅縮小へ

民間組織「健康を危険にさらす」


 【ワシントン=山崎伸治】ジョハンズ米農務長官は二十日、二〇〇四年六月から実施してきたBSE(牛海綿状脳症)の拡大監視検査を八月後半にも終了し、検査対象数を大幅に縮小した従来の検査に戻すと発表しました。

 二年間の拡大監視検査では約七十五万九千頭が対象となりましたが、縮小後の対象は年間約四万頭になるとしており、年単位の規模は約十分の一になります。拡大監視検査では年五千万ドルかかる経費が、縮小後は八百万ドルと大幅に削減されます。

 同氏は記者会見で「米国におけるBSEの発生率は百万頭あたり一頭にも満たない」として、「わが国の検査は、国内のBSE発生が非常に低いことを反映したものにすべきときが来た」と縮小の方針を説明しました。

 今回の発表について、食品の安全問題が専門の民間組織「フード・アンド・ウオーター・ウオッチ」のホーター事務局長は「農務省の監視検査は開始当初から批判されてきた。BSE防止策の弱点を考慮するなら、検査数を削減することはあまりに早すぎる」と批判。BSEに汚染されている可能性が高い飼料を野放しにしたまま、「監視検査を縮小することは、牛の健康も人間の健康も危険にさらすものだ」と警告しています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp