2006年7月16日(日)「しんぶん赤旗」

イスラエル・レバノン紛争

停戦への対応一致せず

国連安保理


 【ワシントン=鎌塚由美】国連安保理は十四日、戦闘が激化するイスラエル・レバノン情勢について緊急会合を開催しました。停戦を求めるレバノンの要請で開かれたものですが、対応はまとまりませんでした。

 レバノン国連大使は、十二日に始まったイスラエルのレバノン侵攻が「問題を解決するどころか複雑化している」と指摘。レバノンの橋や空港を爆撃し、無辜(むこ)の市民への攻撃が続けられているとし、安保理が「包括的で即時の停戦と上空、海上閉鎖を解除するよう要求する明確な決定を」と行動を促しました。

 イスラエル国連大使は、イスラエルの攻撃が「レバノンからの戦争行為に直接反応したもの」だと強調。市民ではなく武装組織ヒズボラの拠点と施設を標的にしてきたと述べました。同大使は、ヒズボラがイランとシリアの手先だと主張しました。

 ロシア代表は、ヒズボラを非難する一方、「イスラエルの軍事行動は過剰で不適切な武力行使であり、レバノンの主権と地域統合、地域の平和と安全を脅かす」と指摘。双方に暴力の停止を求めました。

 中国代表は、イスラエルを「非難する」と述べ、軍事行動の停止と陸海空の封鎖解除を求めました。同時にヒズボラのイスラエルへの攻撃にも「反対だ」とし、兵士の即時解放を要求しました。

 これに対して米国連大使は、イスラエルの軍事行動への言及を避け、レバノンにヒズボラへの対応強化を求めました。さらにシリアとイランに「テロ集団への支援の停止を」要求しました。

 英国連大使は、「シリアとイラン」を名指しし、ヒズボラのイスラエル兵の釈放と攻撃停止を要求。イスラエルに対しては、「自衛の権利」があるとしながら「民間人の死や被害を避ける自制を」と求めました。


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