2006年7月15日(土)「しんぶん赤旗」

民主も「教育基本法改悪」加速

各地で集会を計画


 政府・与党が秋の臨時国会で教育基本法改悪法案の成立を狙うなか、民主党が審議再開に向けた動きを強めています。

 十一日には党内に鳩山由紀夫幹事長を本部長とする「教育再生本部」を設置。「閉会中の九月下旬までが絶好の機会」(鳩山氏)と位置付け、先の通常国会で政府案とともに継続審議になった民主党案(日本国教育基本法案)をアピールする対話集会を全国各地で開催し、教育基本法改定の流れをつくりだそうとしています。

 「それぞれの選挙区、都道府県で行動をおこしてほしい」。鳩山氏は十一日の教育再生本部総会で、衆参国会議員に対話集会を通じた民主党案の徹底を呼びかけました。民主党案についての解説パンフレットの作製・普及も指示する念の入れようです。

 民主党案は政府案への「対案」という形をとっていますが、「あまり大きな違和感がない」(安倍晋三官房長官)と政府・与党側に受けとめられる内容です。右翼改憲団体の「日本会議」は、「与党案より良い」と評価しています。

 前文で「日本を愛する心を涵養(かんよう)する」と明記。教育行政の条項で現行法一〇条にある「教育は、不当な支配に服することなく」の文言を削り、教育内容に対する国家的介入を無制限にしています。

 また宗教教育については「宗教的感性の涵養」を盛り込むなど、政府案以上に踏み込んでいます。

 「日本会議」は、政府案の「修正点」として(1)「愛国心」の明記(2)「宗教的情操」の涵養の明記(3)「不当な支配に服することなく」の削除――を求めており、民主党案はこの要望すべてを満たすものです。

 先の通常国会で自民党は、政府案の「修正」も視野に入れ、自民、民主、公明三党による協議の場を設けるよう民主党に提案しましたが、民主党は拒否しました。

 教育再生本部設置を契機にした今回の民主党の動きについて、同党関係者は「これまではただ政府案にぶつけていくという位置付けだったが、今度は民主党案の(内容の)実現そのものに流れが変わってきているのではないか」との見方を示しています。

 民主党は全国各地で開く対話集会の先駆けとして二十四日に東京都内で「『教育再生』シンポジウム」を開く予定です。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp