2006年7月6日(木)「しんぶん赤旗」

主張

北朝鮮ミサイル発射

無法行為やめ、国際ルール守れ


 日本政府は五日、北朝鮮が同日未明からあいついで弾道ミサイルあるいは何らかの飛翔(ひしょう)体を発射したと発表しました。うち一発は長距離の「テポドン2号」とみられるとしています。

 世界各国が北朝鮮のミサイル発射に懸念を表明しているなかで、北朝鮮が発射に踏み切ったことは、国際ルールと国際的取り決めを踏みにじり、北東アジアの平和と安定を脅かすものです。

事前通告もなしに

 公海に達するミサイルやロケットの発射を、事前通告なしに行うことは、航空機や船舶に危険を及ぼすものであり、国際ルールに違反する行為です。北朝鮮も加わっている国際民間航空条約や国際海事機関条約を無視する行為そのものです。

 日本共産党の志位和夫委員長はただちに記者会見し、「国際ルールと国際的取り決めを無視した、北朝鮮によるミサイル発射に厳しく抗議」し、「北朝鮮が、こうした無法な行為をただちに中止し、国際ルールと『日朝平壌宣言』を順守することを、強くもとめ」ました。

 日本共産党は、北朝鮮が「テポドン2号」の発射準備をしているという動きにたいして、「北朝鮮は、世界の平和にとっても、自国の安全にとっても、害を及ぼすだけのミサイル発射準備をやめるべき」(「しんぶん赤旗」六月二十五日付主張)だと厳しく要求してきました。

 北朝鮮は日本との間で確認した「日朝平壌宣言」(二〇〇二年)で「ミサイル発射のモラトリアムを二〇〇三年以降も更に延長していく意向を表明」しています。それに先立つ「米朝共同コミュニケ」(二〇〇〇年)では「すべての長距離ミサイルを発射しないことを米側に通報」しています。ミサイル発射は、こうした国際的取り決めに違反するものです。

 北朝鮮は一九九八年に「テポドン1号」を発射し、厳しい国際的非難を受けたことがあります。その後の一連の国際的取り決めに照らせば、今回の発射が、この時以上の国際的な批判を免れないのは明らかです。

 北朝鮮のミサイル発射という事態に対し、各国があいついで憂慮と抗議、批判を表明しています。国連安保理も協議開始を決めました。

 日本共産党がかねてから指摘してきたように、北朝鮮が国際社会の責任ある一員となるためには、「国際的無法行為を清算し、国際ルールを守る立場を確立することが、不可欠の条件」(志位委員長談話)です。

国際社会が一致して

 北朝鮮のミサイル発射に対して、日本政府は経済制裁を発動するとともに、国連安保理での対処をはたらきかけることを決めました。

 志位委員長は記者会見で、経済制裁について「国際ルールを北朝鮮に守らせるため、経済制裁を含む適切な措置をとることはありうることだ」とのべました。

 また、国連安保理での対処をはたらきかけるとした政府の対応について、「北朝鮮の行為は国際ルールの違反行為であり、安保理で協議を行うことは当然だ」とのべるとともに、「安保理協議の際に大事なことは、北朝鮮に国際ルールを守れと国際社会が一致してはたらきかけること、とりわけ六カ国協議の場で外交的解決をするという方向を国際的に確認していくことが大切だ」と強調しました。

 北朝鮮の無法なミサイル発射に対し、国際社会の一致した対応が求められています。


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