2006年6月29日(木)「しんぶん赤旗」

ハマス、政策文書合意

イスラエルを間接的に承認


 【クウェート市=松本眞志】パレスチナ自治政府の内閣を主導するイスラム武装抵抗組織ハマスは二十七日、アッバス自治政府議長が率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとの間で、政策文書に合意しました。焦点のイスラエルとの共存を明記していないものの、パレスチナ国家の領土をヨルダン川西岸とガザ地区に限定。間接的にイスラエルを承認したといえます。

 政策文書はイスラエル当局に拘束されているファタハとハマスの幹部によって提案され、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立など十八項目を盛り込んだものです。ハマスは、イスラエルに対する抵抗の課題など一部の修正意見が受け入れられた後、合意しました。

 アッバス議長は、合意ができない場合、七月二十六日に政策を問う住民投票を実施することを宣言していました。ハマスとの合意に達したことで、イスラム聖戦など一部を除くパレスチナの主要会派がこの問題に合意したことになります。これにより住民投票は回避される見通しです。

 政策文書はこのほか、パレスチナ人を代表するPLOと同議長のアッバス氏がイスラエルとの和平交渉の権限を持つとしています。

 パレスチナの指導者の一人、イブラヒム・アブ・ナジャ氏は「ハマスがパレスチナとイスラエルの二国家共存を基本に、両者間の対立を解決するための原則を受け入れたことを意味する」と強調。ハマス政権のハマド報道官は「すべての政治問題で統一して行動する新しい時代が始まった」と評価しました。

 しかし、ハマス内部には「二国家共存を承認したとはいっていない」(バルドワイル評議会議員)などイスラエル否認の見解が残っています。

 一方、イスラエルのアッシ・シャリブ首相広報担当顧問は、「われわれは政策文書を認めていない」と述べています。


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