2006年6月28日(水)「しんぶん赤旗」

労働法制審議

労使反発し中断

開会30分 「厚労省は拙速」


 新しい労働契約法の制定や労働時間法制の見直しを審議している「労働政策審議会労働条件分科会」(会長=西村健一郎京都大大学院教授)は二十七日の会合で、厚生労働省がまとめた素案について労働者、使用者両代表の十四氏がこぞって「労使の意見が反映されていない」「七月の中間まとめは拙速であり反対」と表明し、開会後三十分で中断に追い込まれる異例の事態となりました。労使の意見も踏まえない素案を勝手につくり、来年の通常国会に間に合わせるため、七月に中間まとめを出そうと強引に審議をすすめる厚労省の姿勢が問われます。

 厚労省の素案は、何時間働いても残業代が一円も払われない制度(自律的労働時間制度)や、使用者が労働条件を自由に切り下げられる仕組みなど、労働法制の大改悪案です。自律的労働時間制度の検討などは小泉内閣が閣議決定しており、これが強引な審議促進をもたらしています。

 この日の会合では、労働者側の一致した意見として長谷川裕子委員(連合総合労働局長)が「議論不足で労働側の意見も反映されていない。労働者のための契約法にならない。審議の一時中断を求める」と表明。

 使用者側の紀陸孝委員(日本経団連常務理事)も使用者代表の一致した意見として「残業代の割増引き上げなどいきなり出てきた。十分に時間をかけて検討すべきで、七月の中間まとめには断固反対だ」とのべました。

 残る七人の公益委員からは「全員そろっての意見は重い」とする一方で「議論は続けるべきだ」との意見も出され、西村会長は「調整した上で次の分科会を開く」とまとめました。


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